「サバサバしている」というのはもっぱら女性に使われる形容詞。サバサバを装う自称サバサバ系だなんて言葉も。女性がサバサバしている性格であることは魅力的だけども、それだけ珍しい存在ということなのでしょうか? 『ワタシってサバサバしてるから』はタイトルのキャッチーさと自称・サバサバ系主人公の強烈な性格で、各電子書籍サイトで大人気の作品です。
「自称サバサバ女」の奈美は、とある出版社の編集部で事務職をする社員。課長のパワハラに陰で泣いている女性社員にズバリとアドバイス。
うんざりされてるのに気づかない彼女。課長には「泣けば許されると思っている女って嫌ですよねえ」とさらりとフォロー。わたし、デキる女。
数日後、営業部のエースのイケメンが参加する合コンに頼まれてもいないのに「お邪魔」した奈美。「男とすぐ仲良くなっちゃうから誤解されちゃうんだ」とサバサバなのにモテちゃう私アピールは欠かせない。しかも勝手に乱入してきたくせに店のメニューをディスる!
幹事の女性の気分を害してるのにやっぱり気づいていないのでした⋯⋯。趣味の話になると、奈美は男っぽいものが好きなんです、とアピール。すると、奈美が繰り出す他の女性への「謙遜見せかけマウンティング」をナチュラルにぶった斬る女性が。それがこの本田さんこと、本田麻衣です。
後々、奈美と彼女とは因縁の仲に(といっても奈美が一方的にそう思っているだけ)。皆さんおしゃれですね、と営業部のエース・山城さんが褒めると、奈美はすかさず「やったじゃん!いつもより女出した甲斐があったね!」とツッコミ。すると、麻衣は冷静に一言。
その後もサバサバアピール発言をつぶされ続け、私のイジリをマジ返しするなよ、調子が狂うな、と感じる奈美。そして、彼女はひょんなことから山城さんが自分に興味を持っている!? と大いなる誤解を抱きます。アグレッシブに彼に接近するも、慌てて彼は帰ってしまいました。
一方で、合コンに参加した男性の一人が奈美に興味を持ちます。
なぁ〜んでこんなに男が寄ってきちゃうんだろう!?
飲みに誘われた奈美は「モテてモテて困っちゃう女」気取り。でも、相手には何か目論見があるようです⋯⋯。
数日後、派遣社員ながら、特集記事の作成に抜擢された麻衣のサポートに入るように指示された奈美はこの顔。
仕事がおもしろくない奈美に、合コンにいた営業部の年下男子から飲みのお誘いが。一気に機嫌が良くなった彼女は飲みの席で「姉さん!」とボディタッチされてまんざらでもないのですが、サバサバアピールでこう言います。
なびかない女、のはずがこの後⋯⋯!?
奈美は「自称サバサバ」と揶揄されるのに対し、麻衣は褒め言葉として「サバサバしている」と言われます。この差はなんでしょう。
奈美の言動にとにかくイライラするのは、彼女の自己認識がかなりズレているから。自分をサバサバに見せる=アゲたいあまり、他人をディスるひと言が必ずついてくるんですよね〜。彼女は「イジり」「冗談」と言ってますが。
かたや、麻衣は自分の意見だけを率直に放ちます。自称と真性サバサバの境界線は、他人をサゲるかどうか。奈美の言っていることも時に正論なのですが、なんか不快、ムカつく! って思われてしまうのはそこですね。要は、自分が得することしか考えていない。
でも、人間味を感じてなぜか憎みきれない自サバ女・奈美。やっぱり私って魅力的だから〜! って彼女にドヤ顔で言われちゃいそうですが、どうか悪い奴を利用するつもりが逆に利用されないでね⋯⋯と彼女の一挙一動が心配になってしまう展開になります。本作は、NHKで2023年1月9日からドラマが放送開始。放送前に「ワタサバ」の世界を味わってみては?
【漫画】『ワタシってサバサバしてるから』第1巻を試し読み!
▼横にスワイプしてください▼
『ワタシってサバサバしてるから』
江口心 (著), とらふぐ (著)
「みんな私みたいにサバサバ生きればいいのに!」女性雑誌の編集部に勤める網浜奈美。“私ってサバサバしてるから”を言い訳に、偏った主張をズケズケと繰り返し、同僚たちから疎まれていた。傍若無人にふるまっていたある日、奈美に天敵・本田麻衣が現れる。美人で女子力の高い真性のサバサバ女・麻衣にイラつきを隠せない奈美。暴走する自称サバサバ女(通称:自サバ女)VS真性サバサバ女の戦いが始まる!
江口心:作画
女性マンガを中心に活き活きとしたキャラクターを描き、多数連載中。『ワタシってサバサバしてるから』(DPNブックス)、『ワタシは死ンデレラ』(小学館)、 『妊娠してすみません』『赤ちゃんが怖い』(めちゃコミック)など多数。
構成/大槻由実子
編集/坂口彩
とらふぐ:原作
電子コミック、WEBTOONを中心に多くの作品をプロデュース中。大手電子書店とともに新規レーベルの立ち上げや、 新人作家の育成にも力を入れている。自身もマンガ家兼原作者として多数連載中。『ワタシってサバサバしてるから』『かりそめ女』(DPNブックス)、『戦略結婚〜華麗なるクズな人々〜』(白泉社)、 『ワタシは死ンデレラ』『沼にはまる女たちシリーズ』(小学館)、『既婚者サークル』(DMM)、『妊娠してすみません』(めちゃコミック)など多数。