自己完結で使えるアイテムばかり購入。気付いたら1万2000円位になっていました
「女子博」というだけあってお客さんは女性の方が多いです。でも時々、10枚で1100円のシールコーナーでペンギンのシール等買っている若い男性を見つけて平和な気持ちになりました。文具メーカーの男性社員も清潔感あってモテそうです。
ただお客さんの中には、女子の文具熱を一歩引いて見ている男性もいました。「女子博限定でもなければ買う必要ないね」と、カップルの男性がクールに言い放つ声が聞こえてきて、コレクションや限定品とは関係なく、文具に夢中になる女心との隔たりを感じました。
今回、静かな熱気を感じたのはハンコカルチャーです。「請求書在中」「納品書在中」「領収済」といった実務的なハンコだけでなく、脱力系のセリフのハンコも売られていました。「ちょ、待てよ」「ガビ〜〜〜ン」「よろぴく!」といったハンコはいつ使うのかと思いながらも、癒し系文具として心惹かれます。動物や植物、オリジナルキャラのかわいいハンコも多数見かけました。
ハンコは買っても、手紙に押す機会がなかなかなさそう……という消極的な思いで買わず、レターセットの類いも、出す相手がいないので買うのを躊躇。文具の数だけ人との交流がある……そんな現実に気付かされます。ハンコとかシールとか便せんをたくさん買っている人は、それだけ友だちがたくさんいると思うとまぶしく見えます。今、私があえて手紙を書くとしたら、何かのおわび状でしょうか……。
結局自己完結で使えるノートやペン、ポーチ、iPadケース、カラーのペンセットなど購入。フランス製の色紙は自分で触ったり眺めて楽しむ用です。気付いたら1万2000円位になっていました。文具大人買いで、少女時代の自分も癒されたようです。
会計をすませてから出口までのエリアに、人気の文房具を集めた「文具女子アワードのエントリー商品展示」コーナーがありました。展示物を見ていたら、見つけられず買い逃した素敵な文具が多数あることが判明。また次の日チケットを買ってリピーターになる人もいそうな仕掛けでした。童心や物欲のスイッチがいたるところにある文具女子博は、魅惑的で危険なイベントです。昨年買ったものが使われないまま部屋のどこかに保管されていることは……大人の忘却力でなかったことにします。
(次回、3年ぶり開催の新年恒例イベントをレポート!)
構成/露木桃子
前回記事「女性ならではの痛み、我慢する必要なし。フェムテックとフェミニズムの切っても切れない関係【Femtech Fes! 2022レポ後編】」>>
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