『ユニコーンに乗って』『石子と羽男』ではミラクルが!

2022年豊作すぎた“当て馬キャラ”から紐解く、ヒットドラマに共通する「恋愛の新しい描き方」_img0
『ユニコーンに乗って』(TBS系)は、Paraviにて全話配信中。

また、当て馬キャラだと思われていた人が、実は本命だった……というミラクルが多発したのも、今年の特徴です。

 

なかでも、いちばん驚いたのは、『ユニコーンに乗って』(TBS系)の功(杉野遥亮)。ネット上でも、“最強当て馬”なんて言われていた彼が、まさかヒロインと結ばれるとは……! このドラマは、佐奈(永野芽郁)の小鳥(西島秀俊)への思いが、恋なのか憧れなのか、それとも育ってきた環境が似ているがゆえの共感なのかがずっと読めなかった。

結局、最後に憧れだということが分かりましたが、中盤に「もしかして、佐奈って小鳥さんのこと好きなんじゃ?」と思わせる描写があったりして。それに加えて、小鳥と微笑み合う佐奈を、功が苦しそうに見つめるもんだから! それぞれの固定観念を壊していこうというのが本作におけるメッセージでもあったので、佐奈×小鳥の年の差LOVEもあるのかな? と思っていたのに……。まさかの、同世代に落ち着きましたね。


そして、『石子と羽男―そんなコトで訴えます?―』(TBS系)で、“石子”こと石田(有村架純)と、大庭(赤楚衛二)がくっつくのも、まさかでした。

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『石子と羽男―そんなコトで訴えます?―』(TBS系)は、Paraviにて全話配信中。

大庭が石子に気があるのはみえみえだったけれど、石子の好きなタイプではなさそうだなぁと思っていたのに。だから、正直なところ長続きする感じがしませんでした。筆者のなかでは、『彼女はキレイだった』(カンテレ・フジテレビ系)の赤楚くんがフラッシュバックしちゃいましたよ。石子、“羽男”こと羽根岡(中村倫也)に目移りするわけないよな?! と。あんなふうに恋に苦しむ赤楚くんの姿は、もう見たくないぞ! と(見たい気持ちもあるけれど……)。

でも、結果的には石子と羽男が結ばれることなく終わりを迎えました。この2人は、強固な絆で結ばれているけれど、そこに男女の愛はない。なんだか、その描き方も令和っぽいなぁと感じました。男と女でも、恋愛以外の関係を築くことができる。それを伝えるために、大庭が存在したと考えると……別の意味での当て馬だと言えるのかもしれません。