そして恋愛においては、現代劇の倍は盛り上がります！ なぜかっていうと不便だから！ 相手に会いたいと思ってもおいそれとは会えないし、会いに行っても行き違うし、相手に危険が迫ってると知っても、携帯ないんで必死で走って伝えにいかなきゃいけないし、雨でも降ろうものならズブ濡れで、伝えた途端に「パタッ！」と倒れたところに現われるのが、彼女に密かに恋してる二番手だったりしたりする！ これが盛り上がらないでいられますか！ という展開なんですね。舞台が王宮だったりすると、ここに権力をめぐる陰謀が絡んできたりして、恋は翻弄されまくりです！ ほーら、見たくなってきましたね！
なんつったって今年最高なのは、お正月マタギでフィナーレを迎えるファンタジー時代劇『還魂』で、次世代イケメンがザクザク登場する作品なんですが、脚本を書いているのは「グンちゃんフィーバー」を巻き起こした『美男（イケメン）ですね』と同じ脚本家で、胸キュンしまくり！ 衣装の美しさ、セットの豪華さ、CGしまくりの映像も素晴らしく、どんだけお金がかかってるのか、末端ライターの私には想像すらできません！
そして、いよいよ韓国コンテンツに本気出してきたDisney＋が繰り出す『最愛の敵』は、王権を巡る陰謀と復讐によって翻弄された男女が、愛し合いながら王と王妃として対峙することになっていくというお話。
さらにこの秋に大ヒットした『シュルプ』は、王妃が王室をめぐる権力闘争から4人の王子を守るために奮闘するお話ですが、時代劇にもかかわらず、LGBTQやシングルファーザーを思わせる現代的な要素が満載。
そしてそしてようやく日本でも見られるようになった、2PMジュノ主演の大ヒット作『赤い袖先』は、王と宮女の恋をロマンチックにドラマチック描きながら、実は「誰かの女」として生きるしかない女性たちの号泣の連帯を描いていたりします。
日本人が想像する「ここで助さんと角さんが暴れだし、ラスト５分で印籠出すと、ははーっ！ てなる」みたいな時代劇とは、まったくもって別物で、めちゃめちゃ面白いので、この年末、そして来年は、ぜひとも韓国時代劇に挑戦してみてください！
文／渥美志保
構成／山崎 恵
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