ミモレで執筆しているライター7名が、2022年に公開されたエンタメコンテンツの中から、とく心に刺さった5作品を紹介。ぐみさんにとっての2022年ベスト5は?
2022年は、チャレンジングなドラマや秀逸な映画が多かったように思います。5作品に絞るのがすっごく難しかったです……!
連ドラ『silent』
やはり今年といえばこれでしょう! 1話ラストの再会シーン、手話と表情で感情をぶつける目黒蓮さん演じる想に心を掴まれて以来、毎回心を揺さぶられています。フジテレビさんの本気を見た……。村瀬健プロデューサーが「本気で泣ける、‟本格ラブストーリー“」を目指して作ったというとおり、子どもの頃に母と一緒に観た『愛していると言ってくれ』をはじめとした恋愛ドラマを彷彿とさせる良さがあります。
なんと言っても切ないシーンの「切なさ」が半端ない。先ほど触れた1話の再会シーンはもちろん、湊斗(鈴鹿央士)が紬(川口春奈)に別れを告げた後、初めて彼女が自分の家に泊まった日のことが夢に出てくるシーンや、生まれつき耳が聞こえない奈々(夏帆)が夢の中で想と電話で話し、ハンドバッグを持ち、手をつないで歩くシーンが切なすぎて「やめたげてよぉ」という謎の感情になりました。
一方で、病気がわかって恋人や友人たちと一度は縁を切った想が、再会した紬や湊斗との関わりで「もうできない」と思っていたこと……紬と話すことや、仲間とまた楽しく笑い合うことが「できるんだ」と気づいていく、ポジティブな一面もあります。もちろんすべてのことが解決するわけではないけれど、一人で無理だと思っていたことが、一緒にいることで可能になる様子には、見ているこちらも励まされます。
王道恋愛ドラマと思いきや、登場人物の過去をあらためて掘り下げたり、「この後こうなるだろうな」という想像とはまったく違う展開になったり、いい意味で先が読めない展開もいい。「話を進める」ことに重きを置いていないところが新鮮だなと感じています。
その掘り下げによって、それぞれの登場人物それぞれの気持ちを知ることができて、愛おしさが増していく。ほかの回で微妙だなと思っても、別の回で「この人にはこんな過去があったんだな」と知る機会があって、湊斗も奈々も幸せになってほしい……。完結前にこれを書いているのでどういった結末を迎えるのかはわかりませんが、何度も観返したくなる大切な作品になることは間違いなさそうです。でもできれば終わらないでほしい(無理)。
また、筆者は個人的にSnow Manを応援しているのですが、まずこんな素晴らしい作品に目黒くんが名指し当て書きで選ばれ、初回でファンですら「こんなに演技がうまかったんだ……」と驚かせてくれるような演技を見せてくれ、さらにファンではない友人知人から「『silent』観たよ」「目黒くんの演技や雰囲気、すごいいいね」と言われることが格段に増え、勝手に感慨深さを感じました。2023年の活躍も期待しかない。
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