いとしさと切なさと半端なさで選んだ、2022年ドラマ＆映画ベスト５【エンタメベスト2022】

映画『やがて海へと届く』

大学時代からの親友で、一人旅に行ったまま突然いなくなってしまったすみれ（浜辺美波）。彼女の死を受け入れている彼女の恋人や家族に苛立ちをおぼえる、すみれの死を受け入れられない真奈（岸井ゆきの）。5年越しにすみれともう一度向き合うため、彼女が最後に旅した地へ向かう真奈。友達とずっと一緒にはいられない切なさ、お互い見えていない部分があること、友達が死んだことを受け入れたくない気持ち……個人的に身に覚えのある感情がたくさん出てきて、懐かしさと胸が締め付けられる気持ち、どちらもわいてきました。

「私たちには、世界の片面しか見えてないと思うんだよね」

すみれの言葉にハッとさせられます。確かにいろんな人との関わりは、全部知っているようでいて、どれも片面しか見えていなかったのかもしれません。真奈の視点とすみれの視点、片方がはっきりすると片方がぼやける……そんな見せ方が印象的な作品でもありました。

そして素晴らしかったのがラストシーン。言葉でうまく言い表せないのですが、つらいテーマでありながら悲しさや切なさだけでない、ポジティブな気持ちがわいてくる映像でした。ぜひ一度観ていただきたい。そして、ロングとボブとショート、いろいろな髪型の浜辺美波さんが見られます。