お仕事帰りに同僚と。大切な家族や友人と。
心からおつかれさまと伝えたい日のレストランを厳選してご紹介します。
料理するのもサービスもシェフひとり。近ごろ、そうした小さな店が増えている。時にはセルフサービスで、なんてこともあるけれど、それもまた面白さ。 なにより、シェフとの距離の近さは、何者にも代え難い魅力。料理が気に入れば、きっと通いたくなるはず。
ソムリエでもあるシェフの、ニッポンキュイジーヌ
ヒロヤ(外苑前)
店内に入ると目に飛び込んでくるのは、和食器がセットされたクルミ材のカウンター。中にはすらりと長身のシェフひとり。魚に串を打っていたかと思えば、鶏肉を炭火で焼き、かと思えば、手慣れた様子でワインも注ぐ!
店主の福嶌博志さん、ソムリエでもあるのだ。実は福嶌さん、欧州でフランス料理の修業をした後、帰国。日本料理店で和食を学び、直近はスペイン料理店にいたという経歴の持ち主。あらゆる技法の中から食材に合った調理法を選び、ひと皿に仕立てる。淡泊な黒ソイは浅めに火を入れてふわりと焼き上げ、ソイのアラで取ったダシがベースの、九条ネギの甘みが上品なソースと合わせる。フレンチベースながら、まるで和食のような繊細さだ。
【ヒロヤ】
東京都港区南青山3-5-3-101 03-6459-2305 営業時間18:00~翌3:00 不定休 カウンター8席 個室2~8名1室 その日の献立が、冷菜、温菜、魚介、肉、チーズ、〆もの、甘味に分かれて35~40種で、前菜¥900、魚介¥1200~飲み物は日本酒とワイン。ワインはフランス産主体で、その日に開けたボトルから。
予約至難の中国料理店の元シェフ、再始動!
うずまき(赤坂)
扉を開けると、階下には4人がけのテーブルがひとつだけ。その横のカウンターに立つのは、あの予約至難の中国料理店『ロンフウフォン』で腕を振るっていた柳沼哲哉さん、その人だ。体調を崩して5年ほど休んでいたが、人気店『うずまき』で、コース一本の店を始めた。でも、早くも予約至難。なにせ一日3組のみ。ほかにない料理を作る柳沼さんですから、いわゆる中国料理を想像していると、予想外の皿にノックアウト。紅麹だけで味付けした白イカのねっとりとした味わい。熟し柿を絡めただけの安納芋の甘さ……。油は控えめで"醤"も使わず、驚くほどシンプルなのに、これがおいしい。しかも、ちゃんと中華だから不思議だ。
【うずまき】東京都港区赤坂 5-5-11 赤坂通り50番ビルB1F tel.03-3584-2116 営業時間:月~土 18:00ー23:00 (ラストオーダー 20:30) 休日:日曜、祝日 テーブル1卓2~4名 1日3組限定の完全予約制で、 10~12皿からなるおまかせコース¥8000と¥10000がある。
FRaU 2014年掲載『おつかれレストラン』より ©講談社
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