では、どのような症状があったら心臓病を疑ったら良いのでしょうか。
<心臓病を疑った方がいい胸の痛み>
・ネクタイで隠れる範囲の、痛みや不快感。
・繰り返し同じ環境や状況で、同じ症状に襲われる。朝起きた時、喫煙、飲酒、歩いている時、洗濯物を干している時など。
・不整脈でも症状が出るとしたら短くても5分、通常10分以上、症状が波なく続く。
・今までに感じた事のない痛み
<心臓じゃない可能性が高い場合>
・1回だけなら様子をみてもいい。
・1、2分のキュっとするような瞬発的な痛みは、どちらかというと神経痛のような可能性が高い
こういった話を今になって知ると、私自身は、倒れる2週間前から、毎朝、胸の真ん中を絞られたような不快感が10分以上続いていた。典型的な心臓病を疑うべき症状でした。それなのに病院へ行かなかった。「相当な鈍感力だね」と知人の医師たちにも呆れられています。どうか私のようにならないために、上記のような異変を察知したら、まず病院へ行っていただきたいと願わずにはいられません。
「年末年始は、日常のサイクルが乱れがちな時期なので、ハメをはずしすぎないように。毎年、救急外来も31日と1日はすいています。大晦日と元旦は、辛くても皆さん我慢するのでしょうか? 30日と2日はとても混むんです」
日々の仕事が忙しくても、胸が痛いときは、近くのクリニックに行って気になる症状をちゃんと話してください。心臓病が疑われれば検診センターが循環器内科を紹介してくれるはずです。
心疾患は見つけにくいのですが、突然死に至るケースも多く、注意が必要です。年末年始でも、辛い症状があれば我慢しないで受診してくださいね。
『山手線で心肺停止! アラフィフ医療ライターが伝える予兆から社会復帰までのすべて』
熊本美加・著 上野りゅうじん・漫画 鈴木健之・監修 1320円 講談社
健診で分からない「隠れ心臓病」に要注意。日本では7分に1人が心臓突然死で亡くなっているという現実がある。
元気でバリバリ働いていたアラフィフの医療ライターがある朝突然、山手線で心肺停止に。打ち合わせに向かう車内で倒れ、浜松町駅で駅員によるAED、心臓マッサージを受け、搬送された病院で人工心臓につながれた。
奇跡的に一命を取りとめたが、高次脳機能障害により注意力、記憶力、感情のコントロールに問題が生じ、リハビリ病院へ。生死を分けたのは何だったのか。そのとき、仕事は? 家族は? そして飼い猫は?
Twitterで何度もバズった「ウェブマガジンミモレ」のルポをベースに、予兆リストや胸の痛みの種類、生死を分ける心臓マッサージなど、著者が読者の皆さんに伝えたいことを新たに執筆、再構成した。実用書でありながら、『女はいつまでおんなですか? 莉子の結論』『ママのうつ病をなめてたら、死にそうになりました』で知られる上野りゅうじんがマンガを担当。
文/熊本美加
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