2022年9月30日、皇室ジャーナリストの渡邉みどりさんが亡くなられました。
美智子さまのご成婚パレードの報道を皮切りに、63年もの長い間にわたって皇室を見守り続けてきた渡邉さんは、これからの皇室にどのような想いを抱いていたのでしょうか。
取材の折々に伺ったたくさんの言葉から、渡邉さんの願った将来の皇室のあり方を見つめます。

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渡邉みどり
皇室ジャーナリスト、文化学園大学客員教授。早稲田大学卒業後、日本テレビ放送網に入社し報道情報系番組を担当する。1989年の昭和天皇崩御報道の総責任者を務める。2022年9月30日逝去、享年88歳。

 

21世紀の国際社会で活躍される雅子さま


2022年9月、天皇陛下と雅子さまは、英国ロンドンのウェストミンスター寺院で行われたエリザベス女王の国葬に参列されました。
この英国訪問は、陛下と雅子さまにとって、令和になってから初めての外国訪問となりました。
葬儀の間には、雅子さまが各国の王族の方たちと親しげに会話される様子がメディアを通じて見ることができました。海外でも雅子さまの気品ある美しさが報道され、誇らしく思った人も多いのではないでしょうか。

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天皇皇后両陛下は9月19日、ロンドンのチャーチハウスでエリザベス女王を悼み弔問記帳しました。写真/代表撮影/ロイター/アフロ

お二人は、ともに海外留学のご経験をお持ちです。
天皇陛下は、学習院大学をご卒業後、英国・オックスフォード大学でご修学されています。

一方、雅子さまは外交官の父を持ち、家族とともに海外での生活を経験されています。米国・ハーバード大学をご卒業されてからは外務省に入省し、英国・オックスフォード大学にご留学。数カ国語を話されます。

天皇陛下が海外経験の豊富な雅子さまと結婚されたことから、渡邉さんは21世紀の国際社会で活躍されるお二人に期待していました。

「国際友好の活動の合間には、こんなこともあるんじゃないかしら。
例えば、天皇陛下が英国・オックスフォード大学の同窓会にご主席される。そして、皇后雅子さまが米国・ハーバード大学の同窓会にご出席される。夫である陛下は、ニューヨークで雅子さまと合流され、おそろいでメトロポリタン歌劇場でオペラ『カルメン』を鑑賞されるの。
そのとき、雅子さまはどんなドレスをお召しになるのでしょう。バッグは何? お二人を見ていると、私はこんな楽しいイメージが尽きることなく湧き上がってきてしまうのよ」

と、渡邉さんは楽しそうに語りました。
陛下はかつて、留学中にイタリア・ミラノのスカラ座で「カルメン」をご覧になっているそう。
音楽を愛し、ヴィオラを演奏される陛下。お二人はともにクラシック音楽に造詣が深いのです。

「雅子さまは流暢な英語、フランス語、ドイツ語はもちろんのこと、数カ国語を使い分けて、皇室が取り組まれてきた国際親善を果たされると思いますよ」

令和の時代になって、いよいよというときに始まったコロナ禍。コロナとの対応も緩和されつつあるなか、これからは陛下と雅子さまらしい活動もできるようになるでしょう。
 

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【写真】2022年・雅子さまの装い
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1 写真/Kyodo News/Getty Images
2-3 写真/JMPA(嶋田礼奈/講談社)
4-5 写真/The Asahi Shimbun/Getty Images
6-11 写真/JMPA
12-14 写真/JMPA(椎野充/講談社)
15.16.18.19 写真/代表撮影/ロイター/アフロ
17 写真/REX/アフロ
20.21 写真:毎日新聞社/アフロ
22.23 写真/©JMPA(日本雑誌協会代表撮影)

 
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