「使い慣らしておく」ことが、最高のセックスにつながる

最高のセックスは60歳を過ぎてやってくる。編集者・原田純さんが語る「セックスは中高年こそ楽しめる」その理由_img0
写真:Shutterstock

男性はどうでしょう。男性は女性より性欲が旺盛だし、勃起することが自分が男性であることの証し、と考えている人が少なくないでしょうから、勃起力が衰えると、かなり意気消沈してしまうのかもしれません。

男性はいったい、いつまでセックスができるのかと思い、関口先生に聞いたところ、驚いたことに、勃起と射精は別のシステムなので、勃起力が劣えたり、精子の質や量が低下したりはするものの、何歳になっても射精はできるし、オーガズムも得られるそうです。射精感があっても精子が出ずに、あとで尿と一緒に出る人もいるそうですが、それでもオーガズムは得られるとのこと。

さらに最近は勃起補助薬があるので、勃起力低下も治療可能。たとえ射精障害があっても、パートナーの反応を見る、パートナーに触ってもらうなどすれば、やはりオーガズムは得られるそうで、つまり男性はいくつになってもセックスができるということです。

ただしこれには条件があります。定期的に、セックスあるいはマスターベーションをすること。これは女性にも共通することですが、男性も性機能を健康に保つためには、使い慣らしておく必要があるのです。

男性は特に、性機能が衰えたと感じたら、迷わず男性泌尿器科を受診してください。男性の性機能は、衰えると回復が難しくなるからです。

人間の遺伝的寿命は55歳。55歳を過ぎたら、女性同様、男性も自分の性機能を健康に保つ努力をする必要があるのです。そうすれば、高齢になっても、男女ともに心ときめく恋ができるし、たがいの体を慈しむこともできるのです。

年老いた男女が、腕を組んでゆっくり歩きながら、ときどき微笑み合ったり、そっとキスしたりしている姿ってステキだと思いませんか。私は、そういう老婦人を目指します。
 

第3回「60代、性欲を大事にしながら生きる。『年をとれば性欲がなくなり、枯れる』を是とする思い込みを捨てよう」その理由」は12月30日公開です!

 


著者:原田純(はらだ・じゅん)さん
1954年、東京生まれ。編集者。15歳で和光学園高校中退。1980年、長女出産。1989年、径書房に入社。現在、径書房代表取締役。著書に『ねじれた家 帰りたくない家』(講談社)、岸田秀氏との対談『親の毒 親の呪縛』(大和書房)『ちつのトリセツ 劣化は止まる』『人生最高のセックスは60歳からやってくる:ちつのトリセツ恋愛実践編』(径書房)がある。YouTubeチャンネルは「【ちつのトリセツ】原田純」。

医療監修:関口由紀(せきぐち・ゆき)さん
『女性医療クリニックLUNAグループ』理事長。2022年現在更年期前の女性を対象とした『女性医療クリニックLUNA横浜元町』と、更年期後の女性を対象とした『女性医療クリニックLUNAネクストステージ』を主宰している。医学博士、経営学修士(MBA)、日本泌尿器科学会専門医、日本排尿機能学会専門医、日本性機能学会専門医、日本東洋医学会専門医、横浜市立大学医学部客員教授。女性総合ヘルスケアサイト・フェムゾーンラボ社長、フェムテック協会代表理事。

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『人生最高のセックスは60歳からやってくる:ちつのトリセツ恋愛実践編』
著者:原田純 監修:関口由紀  径書房 1760円(税込)

老いを受け入れ、恋やセックスと縁遠い生活を送りながらも、人生を楽しんでいた著者。しかし、60歳から始めた腟ケアで心境に変化が! 60代の恋、そして27年ぶりのセックス。今まで真剣にセックスのことを考えたことがなかったという著者が、後悔しない人生を歩むために、性欲やエクスタシー、そして恋人との「気持ちいいセックス」について、自身の赤裸々エピソードも交えながら真剣に考えます。



構成/金澤英恵

 

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