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今年の年末年始は、久々に帰省をする予定の方も多いのではないでしょうか?お正月は、家族や親戚とおせちやお雑煮を囲む機会もありますよね。ただ、この時期になると心配なのは、毎年報道されるおもちによる窒息事故。今回は、おもちだけではなく、日常に潜む窒息のリスクについて、山田悠史医師に聞きました。

 

編集:お正月はおめでたく楽しい雰囲気の反面、おもちによる窒息事故のニュースを毎年目にしている気がします。

山田:そうですね。特に、高齢の方や小さなお子さんは注意しないといけません。おもちには空洞がないので、空気の通る余地がないんです。普通におもちを食べていれば、つまり、噛んで飲み込み、食道に落とし込めれば、何も問題はありません。

ですが、間違って空気の通り道である「気管」におもちが詰まってしまうと、窒息につながります。空気の通り道はブドウの房のように枝分かれし、どんどん細くなりますので、咳き込むなどして気管の外に出せないと、必ずどこかで詰まってしまうのです。特におもちは粘着性が高いので、くっついてしまい、咳をしても排出しにくい食べ物です。

編集:空気の通り道に、誤まって食べ物が詰まってしまうことで、窒息が起こってしまうのですね。おもちを食べるときは小さく切ったり、ゆっくりよく噛んで食べる、などの対策を今年も徹底したいと思います。

山田:そうですね。ですが、窒息のリスクがあるのはおもちだけではない、という事実も知っておいていただきたいのです。

編集:えっ? そうなのですか?
 

教えていただいたのは……

 

山田 悠史
米国内科・老年医学専門医。慶應義塾大学医学部を卒業後、日本全国の総合診療科で勤務。新型コロナ専門病棟等を経て、現在は、米国ニューヨークのマウントサイナイ医科大学老年医学科で高齢者診療に従事する。フジテレビライブニュースαレギュラーコメンテーター、NewsPicksの公式コメンテーター(プロピッカー)、コロナワクチンの正しい知識の普及を行うコロワくんサポーターズの代表。カンボジアではNPO法人APSARA総合診療医学会の常務理事として活動。最新刊は、『最高の老後 「死ぬまで元気」を実現する5つのM』(講談社刊)。
Twitter:@YujiY0402