意外な窒息リスクについて解説


山田:実は、少し大きな塊で空洞のない食べ物は、どんなものにでも窒息のリスクがあるのです。特に危ないのは、噛んでいる途中で、食べ物を大きい塊のまま、飲み物と一緒に飲み込んだ場合です。
たとえばパンと牛乳などは、よくある朝ご飯の組み合わせですよね。ただ、その際、あまりパンを噛まずに牛乳を口にするとします。パンは空洞のある食べ物ですが、牛乳を含むとねっとりした塊になり、窒息の可能性に繋がってしまいます。

 

編集:小学校の時に、クラスメイトが牛乳を飲みながらパンを早食いしていた記憶が蘇ってきました。今考えると、危ないですね……。

山田:そうですね。おもちには警戒心があるかもしれませんが、パンには無防備な方も、多いかもしれません。実は、アメリカでおもちを食べる人はなかなかいませんが、パンやステーキで窒息してしまうケースはあります。

編集:おもちに限らず、噛まずに流し込むような食べ方には気をつけます。急いでいるときは、無意識にやっていると思うので……。

山田:お正月ですと、おもちと一緒に日本酒を飲む、という機会も多いですよね。
アルコールは、神経の機能を少し鈍らせる物質ですので、酔った状態だと、噛まずに飲み込んでしまうリスクも増えます。お正月の、「お屠蘇(とそ)を飲みながらお雑煮を食べる」という習慣は、実は気をつけていただきたいシーンのひとつなのです。

編集:楽しい時間に事故が起きないようにするためにも、いろいろと意識しないといけないのですね。