ビジネスメールの中に、さりげなく体調を気遣うひと言や励ましの言葉を添えてもらって、思わずほっとした気持ちになったり。期待感をさりげなく伝えてくれる言葉に、がぜんやる気がみなぎったり。言葉が持つ力は不思議なもので、そのちょっとしたひと言で、大変な1日も“いい1日”になったりするものです。そんな言葉を受け取る側はもちろんですが、贈れる側にもなれたら、もっと嬉しいですよね。

企業や教育機関でコミュニケーションの指導を行う、吉井奈々さんの著書『いつもの言葉があか抜ける オトナ女子のすてきな語彙力帳』は、相手を思いやる多彩なフレーズを、様々なシチュエーション別に紹介する1冊。そこで今回は、2023年の仕事始めも捗ること間違いなし! の「お願いの言葉」と「断るときの言葉」を、本書から特別に一部抜粋してご紹介します。


相手に配慮した「お願い」や「催促」の伝え方


オンラインでのコミュニケーションが増え、人との距離が離れがちな昨今だからこそ、相手を思いやる言葉遣いが求められています。目指したいのは、相手の立場や気持ちを思い、相手が心地よくなる言葉選び。「かっこいい決め台詞」よりも「あたたかな言葉」を選びましょう。

まずは、ビジネスシーンでもプライベートでも役立つ、相手を思いやる「お願いの言葉」からお伝えしていきます。

 


【特別感と敬意を伝えるお願い】

 

だれにでもお願いできることではなく、「あなただから頼れること」と伝えると、特別感が伝わります。「スピーディーな◯◯さん」「わかりやすく仕上げてくれる◯◯さん」なんていうふうに、その人のスキルや取り組み方に触れると、なおいいですね。

「〜していただけると幸いです」「〜助かります」なども、敬意が感じられてやわらかい印象の言い回しです。「~してください」というフレーズが連続すると、冷たい印象になることも。お願いごとが続くときは、いろんな表現で伝えられるといいですね。
 

【理由や状況を明確にしてお願いする】

 

何をしてほしいのか、要点をわかりやすく伝えましょう。メールの場合は作文のような長文説明にならないよう注意。メールやLINEは◆や■など、記号や絵文字を使った箇条書きにしたり、改行や空白を使ったりして、ポイントをわかりやすくするひと手間も大切。新聞のようにギュッと詰まった文章では、相手の読む気も失せてしまいます。形式や言葉遣いも大切ですが、「相手を迷わせない」「読みたくなる」文章からは、あなたの誠意とやさしさが伝わるはずです。