「行きあたりばったり」
「私にも段取りというものがある。」
私がそう言うと、大抵こう返される。
「え、そんなもの、あったんですか?」
まあ失礼な話だが、そう見えているとすれば何よりだ。
どうするかという方針をはじめからは立てず、その時の様子や成行きに任せ、適当にすること。無計画。(新明解国語辞典第三版)
天が崩れ墜ちてきたらどうしよう。
そんな馬鹿げた憂いを得た人の故事が言葉となるくらい、人は行く末を懸念せずにはいられない。
私も、幼い頃から、ありえない憂慮を抱いては眠れず、眠れば悪夢をみた。
成人しても、未来への希望よりも危惧が先に立ち、生きてゆくのが恐ろしかった。
しかし、もう、疲れてしまった。
起きてもいない未来に心を砕くことに。
先を見通して何になる。
何か起きたら、そのとき考えよう。
それでも、見えてしまうことがある。
お腹が壊れる。悪夢にうなされる。
行きあたりばったり道も、なかなかにむずかしい。
ばびさん
茶どころ宇治に、夫と年男の息子、おばあちゃんフレンチブルドッグ(2020年11月5日永眠)と住んでいます。
お茶とお菓子、きものが大好き。 素敵な方々、おいしいもの、きれいなもの、楽しいことにたくさん出会えますように!