初の著書『自分を大切にする練習 コンプレックスだらけだった僕が変われたすべてのこと』を上梓したEXIT・りんたろー。さん。忙しさから心身ともにボロボロの時に美容と出会い、自分自身を取り戻していくまでの詳細な記録は、TVでおなじみの賑やかな明るさとは違う、どこまでも真面目でだからこそ不器用な、りんたろー。さんの意外な一面を見せてくれます。

本人曰く「忘れちゃいけない、これまでの人生のターニングポイントが全部詰まってる」という一冊。そこに込めた思いを語ってもらいました。

 

コンプレックスをプラスにできる職業はお笑いなのかなって
 

ーー一見、美容本かと思いきや、自己啓発本であり、一人の芸人としての熱いエッセイでもあり、りんたろー。さんが自己肯定感を少しずつ獲得していく変化の記録でもある。ひとことでは説明しにくいけれど、誰が読んでも必ず刺さる部分のある一冊だと思いました。たとえば、りんたろー。さんよりも美容歴が長いであろう女性が読んでも、大切な基本を思い出す「復習」として、すごくタメになるな、と。

そうですね、読む人のフェーズによって復習にも予習にも、美容を始める第一歩にもなる。いろんな入り口を用意できたのかなと思います。「自分に合った入り口から入ってきてください」みたいな。

ーーこういう本にしたい! というイメージは最初からりんたろー。さんの中にあったんですか?

まずは詰め込みたいものをバーっと書いて、それを全部きちんと伝えるための構成などは編集さんに一旦お任せして。こんなに色々書いたらガチャガチャになるんじゃないかと思ったけど、軸の通った一冊になったと思います。(隣にいる担当編集のほうを向いて)素晴らしい人に巡り会えました(笑)。

 

ーーエッセイの部分では、幼少期から抱えていたコンプレックスのこと、自分を見失ってつらかった時代のことなどもかなり赤裸々に書かれていますね。サッカー選手の夢を怪我で諦めざるを得なくなり、その後、お笑い芸人を目指すようになったきっかけをもう少し詳しく聞かせていただけますか。

表に立つ仕事がしたいって気持ちは昔からあったんです。でも、そこからは消去法ですね。俳優じゃない、歌手でもない。今の僕にできることってなんだろうと考えた時に、「お笑いだったら、面白ければできるんじゃね?」と。もともとお笑いは好きだったし、見た目の良し悪しは関係なく、むしろそういうコンプレックスをプラスにできるかもしれない職業はこれなのかなって。

その頃好きだった芸人さんはトータルテンボスさん。当時は“渋谷系”と呼ばれていて、ダボっとした格好のまま漫才してるのがカッコよくって。僕らも最初は“ネオ渋谷系”とか言われて、EXITになって当時の憧れは具現化できたのかなと思いますね。