今回の成功体験が次の役に立つと思って壁を乗り越えたい【望海さん】
順風満帆にキャリアを重ねていらっしゃる望海さんとspiさん。お二人が“壁”にぶつかることはあるのでしょうか? もし壁にぶつかったと感じたときは、どう乗り越えているのでしょう。
spi:僕は爆走して逃げます(笑)。逃げたい。僕は逃げます。壁には触らないタイプです(笑)。ほかに壁ってあるのかな……。望海さんなら分かると思うけど、歌で「うわ、出したいのに出ない」っていうのは、あれは壁じゃなくない? 乗り越えられるから。
望海:(笑)。そうですね。乗り越える策を見つけなくちゃいけないし、見つけたいと思うし。
spi:そういうことじゃない、もう本当にどうしようもないことからは逃げる(笑)。
望海:(笑)。逃げると言ったら逃げるのかも知れないですけど……。私がふと思ったのは、乗り越えたことが自信に変わるんですよね。乗り越えた過程というか、次の壁が来たときに前の壁を乗り越えた成功体験を思い出すんですよ。あのときにできたから今回もできるんじゃないかって。だから、次の壁が来たときに、いまのこの体験が役に立つと思って乗り越えようとしますね。
ぶつかればもしかしたら壁が砕けるかもしれないし、弾き飛ばされるかもしれないし、でも気づいたら乗り越えられているかもしれないし……。結果は分からないけれど、とりあえずぶつかってみたらなんとかなるだろう、という気持ちで挑んでいる気がします。
元雪組トップスターとして長く組を背負ってきた望海さんらしい言葉であり、姿勢であり。そんな望海さんの言葉に救われる人も多いのでは。
望海:ぶつかってみないと分からないですよね。もちろん、それですごく落ち込むこともありますし、気付いたときにはもう乗り越えられていたり、あとは周りの人が助けてくれることもあります。やっぱり、一生懸命壁を乗り越えようと格闘していると、下からみんなが支えてくれて「もう少しで行けるよ!」みたいな。「ありがとう、みんなのお陰で乗り越えられました!」という経験もあるので、やっぱり私は一回全力で挑戦してみると思います。
では最後にこの対談を読んでいるミモレの読者に、メッセージをお願いいたします!
spi:まず刀剣乱舞ファンはもちろん全員観に来て! って感じです(笑)。それは冗談だとしても、ひとつ思うのは【解散】というものがこんなにまで次に繋がるものに見える舞台ってあまりないじゃないのかなということ。何かを手放すことが次に繋がり、手放すからこそ掴めるものがあると、そういうことを観られるし、そういう瞬間に立ち会えると思うんです。
それから、単純にいろんな衣装があり、いろんなスタイルのお芝居をする方々を観られるからインスピレーションが必要だという人にもすごく良い舞台だなと思います。本当にもったいないくらいいろんなものを見せている舞台なんです。持っている引き出しを全部開けているような感じだから、アートのインスピレーションだったり希望だったりを貰えると思うから、絶対にコスパはいいと思います(笑)。一日のうちの3時間だけで何年分ものインスピレーションを貰えるはず。あとは絶対にカッコいいのを見せます!と約束します(笑)。
望海:みなさん本当に歌が魅力的で、音楽を聞きに来るという感覚だけでも楽しいのですが、それ以上の世界が広がっています。きっとミュージカルが大好きな方は行きたいと思ってくださると思いますし、映画が好きな方でもきっと楽しめること間違いないと思います!
あとはやはりこういう時代なので何か物足りないというか、モヤモヤすることも多いと思うのですが、この作品は客席に座っているだけで発散できる貴重なミュージカルなんです。凝り固まっている心が動かされて「あ、ちょっと頑張ってみようかな」という気持ちになると思いますし、物語のキャラクターと重ねて一緒に彼女や彼らたちの人生を体験できるんじゃないかなと思うので、ぜひお越しいただきたいです。
私もお稽古が始まるまでは想像がつかなかったのですが、キャストの皆さんと歌やセリフを合わせていくと、とにかくお一人お一人の力がものすごくて、全員でもっとお稽古を重ねていったらどんなものに仕上がるのだろうと私自身も今すごく楽しみなんです。セットも素敵ですもんね。
spi:すごいですよね。
望海:有村さんのお衣装も豪華できれいですし、いろいろな角度から楽しめると思います。東京は2月公演ですよね。まだ寒い季節だけれど、劇場の中は暖かいので(笑)。
spi:2月は寒いだろうね……。
望海:そう、劇場は暖かいですから。それに、間違いなくハートフルな作品なので、心も温めに来てください!
<Information>
ブロードウェイ・ミュージカル『ドリームガールズ』
脚本・作詞: トム・アイン
音楽:ヘンリー・クリーガー
オリジナル・ブロードウェイ版演出・振付: マイケル・ベネット
演出:眞鍋卓嗣
【東京】2023年2月5日(日)~2月14日(火) 東京国際フォーラム ホールC
【大阪】2023年2月20日(月)~3月5日(日) 梅田芸術劇場メインホール
【福岡】2023年3月11日(土)~3月15日(水) 博多座
【愛知】2023年3月22日(水)~3月26日(日) 御園座
ディーナ・ジョーンズ:望海風斗
エフィ・メロディ・ホワイト:福原みほ・村川絵梨(Wキャスト)
ローレル・ロビンソン:sara
カーティス・テイラー・ジュニア:spi
C.C.ホワイト:内海啓貴
ミシェル・モリス:なかねかな
ジェームス・“サンダー”・アーリー:岡田浩暉
マーティ・マディソン:駒田一
撮影/shitomichi
ヘア&メイク/チエ(KIND、望海さん)、田中陽子(spiさん)
スタイリスト/菊池志真(望海さん)、中西ナオ(spiさん)
取材・文/前田美保
構成/坂口彩
「幸せ」は束縛でもある、だから手放す。ミュージカル初上陸『ドリームガールズ』は女性が成長する物語。【望海風斗×spi】>>
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