授賞式では「アルマーニ・プリヴェ」のミッドナイトブルーのベアトップドレスを、引き締まったボディで着こなしていたミシェル。内面のタフネスと生命力が溢れ出るかのような溌剌とした輝きは、年齢を超越した美しさを放っていました。

写真:REX/アフロ

授賞式前に出演したCBSのインタビューでは「年を取れば取るほど、能力よりも年齢で見られるようになってしまう。ある年齢に達すると、キャリアが低迷したり終わってしまうだなんて嫌なことよね」と嘆いていた彼女にとって、受賞の喜びはひとしお。

 

受賞スピーチの途中で退場を促すピアノが弾き始められると、ピアニストに向かって「お黙りなさい! 私はあなたをぶっ飛ばすことだってできるんだからね」とピシャリ。これはもちろん、彼女が演じた役にかけたジョークだけれど、会場はこれに大ウケ。今回の授賞式でいちばん沸いた瞬間だったかもしれません。

「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」(2022)より。写真:Everett Collection/アフロ

「私は昨年60歳になりました。すべての女性はこれを理解してくれると思いますが、現代において、年を重ね年齢が高くなればなるほど、手に入れられる機会は狭くなっていきます。『私はもう、充分よくやってきたじゃない?』と思ったときもありました。でも、あきらめずにやってきたことで、こうして今、最高のギフトを手に入れることができたのです」。

アジア人、そして女性というマイノリティーに加え、年齢という壁を超えてゴールデン・グローブ主演女優賞という栄冠を手にした彼女。2021年には受賞者候補を選定するHFPA(ハリウッド外国人記者協会)に黒人がひとりもいないことでバッシングを受けたゴールデン・グローブ賞ですが、それも意識してのことか、今回は一層「インクルージョン・ライダー」、つまり民族や性の多様性を考慮したものになっていたように感じます。

ミシェルの受賞はその象徴とでもいうべき出来事。ハリウッドがますます開かれた世界になっていく、可能性を感じた授賞式となりました。

 


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