「自分を整える」3つのポイント③
――自分の時間を「朝」にスライド!


そして、3つ目のポイントは、「朝、好きなことをする」です。
先のお母さんは、子どもの寝かしつけをした後に起きて、自分のことをしていると、その間に寝てしまうとのことでした。

それであれば、子どもと一緒に布団で寝てしまって、朝に自分のことをするサイクルに変えることもできますね。それなら確実に布団で寝られます。

朝早く起きれば、自分の時間を確保することもできます。朝は有効です。睡眠をとった後は、頭も冴えています。頭が冴えた状態で、一番頭を使う作業をするととてもはかどります。
この3つのポイントを意識して、自分を整えていくといいのです。

マジックワード「まっいいか」で正しくあきらめる

 

「子どものためより自分のため」とはいえ、子育て中はどうしても子ども中心の生活になってしまうものです。未来のために今を我慢するのはよくないと分かってはいても、仕事も家事もやっていると、自分のことが後回しになってしまいます。誰でもあることですね。

自分を責めず、自分を赦してあげることが大切になってきます。
そんなときに効果的なマジックワードは「まっいいか」です。

 

最初の「忙しくて、やることがすべて中途半端になってしまう私」でしたら、
「今日もソファーで寝てしまった。でも、まっいいか」
「今日も寝かしつけるのが遅くなってしまった。まっいいか」
「まだ家事が終わってないけれど、まっいいか。今日は寝てしまおう」
といった使い方をするのです。

「そんなに自分を甘やかしていてはいけないのでは?」
「家族に迷惑をかけてしまう」
「今日はよくても、明日やらないと。結局どんどんたまってしまう」
と思われる方もいらっしゃると思いますが、そんなことはありません。あなたが苦しそうな顔をしていれば、一番被害を受けるのは子どもです。

あなたが忙しいときに限って、熱を出したり、問題を起こしたりしませんか? それは、親であるあなたのことを見て、関心を引きたいからなのです。

あなたが「まっいいか」とあきらめることで、家族の笑顔は格段に増えていきます。あなたの心と体が整い、家族の笑顔も増える。そんなすてきな効果があるなら、やるしかないですよね!?

家族のためより自分のため。
無意識で行えるよう習慣化する。
朝、好きなことをする。そのために自分に「まっいいか」と言い続ける。

自分が整うことで、1日のスケジュールを俯瞰して見られるようになり、子ども自身をありのままに見る余裕もできます。そうすると子どもと適切な距離感で関われるようになっていきます。

著者プロフィール
庄子寛之(しょうじ・ひろゆき)さん

東京公立小学校 指導教諭。専門は道徳。「先生の先生」として、全国で講演したり、授業をやって見せたりしている。全国休校中の中これからの教育について考えるオンラインイベントを企画し、リアルタイムで2000名程度の参加者を集めた。『残業ゼロの仕事のルール』(明治図書)など著書多数。教育新聞には『教師が今すぐ実践できる時短術』を連載し、2019年には女子ラクロスU19日本代表のヘッドコーチを務めるなど、多岐にわたって活躍。

『子どもが伸びる「待ち上手」な親の習慣』
著者:庄子寛之 青春出版社 1628円(税込)

出しっぱなし、脱ぎっぱなし、ゲームの時間は守らない……そんな時、ついガミガミ怒ってしまうのが親というもの。でも、イライラが募る原因は「親自身」の余裕のなさにあるかも? 現役小学校教師であり、教育のプロが見てきた、伸びる子どもたちとその保護者に学んだキーワード「待ち上手」にスポットを当てた本書。「待ち上手」な親になるための習慣を、5つのステップで丁寧に紐解いていきます。


写真/Shutterstock
構成/金澤英恵