新型コロナに気を配りながらも、世の中全体が活動を再開し、以前の生活が戻りつつあります。愛子さまと佳子さま、悠仁さまも少しずつ活動の幅が広がり、国民と触れ合う機会も増えています。
皇室を長く担当し取材を続けている毎日新聞客員編集委員の大久保和夫さんに、若きプリンス&プリンセスのこれまでの活動の振り返りとこれからについて伺いました。
国民を魅了した愛子さまの聡明さ
2023年1月2日には、3年ぶりに新年の一般参賀が皇居・宮殿東庭にて行われました。
この日を待ちわびたかのような澄み切った青空のもとで行われた参賀には、成年皇族となられた天皇家の長女・愛子さまも初めて参加されました。
「今回はコロナ禍への対応として、事前の抽選に当選した人だけが参加したため、全体の印象として静かで整然とした参賀でした。
申し込みは10万2377人で、約10倍の競争率。天皇皇后両陛下はじめ皇族方は計6回のお出ましがありましたが、実際に訪れた人の人数は1回あたり約1200人前後で、人と人との間隔を1メートル以上あけるように並びました。
人数が絞られた分、ベランダに立つ皇族方からは参列者が、参列者からも皇族の方のお顔がよく見えたのではないでしょうか」
最も注目されたのは愛子さまのお姿だったでしょう。愛子さまは、爽やかな薄水色のロングドレスがとてもお似合いでした。
「愛子さまは6回すべてにベランダに立たれましたが、緊張されたことでしょう。マスクをされていましたが、目はずっと微笑んでいるようでした。
初めてということで、参賀者の中から『愛子さま~』という声も時おり聞こえてきましたが、全体的に落ち着いた印象で、静かな微笑みをたたえられて参賀者のお祝いに応えていましたね。
女性皇族の色とりどりのロングドレスも印象的でした。
皇族が勢ぞろいするときには、女性皇族の服装はまず皇后雅子さまがご自分がお召しになるドレスの色をお決めになります。
その後、他の皇族と色がお互いにかぶらないようにそれぞれ決めていくのです」
振り返れば2022年3月17日に、愛子さまはご成年に伴う記者会見に臨まれました。
用意した原稿に目を落とさず、まっすぐ前を見られてお話され、明るい笑顔が印象的でした。
「多くの国民が驚いたのではないでしょうか。あの長いご回答を原稿をまったく見ないで、よどみなくお答えになったのは見事な対応でした。
愛子さまの聡明さが非常によく出た会見でしたね。私もお生まれになったときから取材してきましたが、ここまでご成長されたか……と感慨深いものがありました」
同年12月1日には、21歳のお誕生日を迎え、宮内庁から近況の報告がありました。
芦毛(あしげ)の馬といる写真とともに公開されて、話題に。20歳のお誕生日のときに公開されたのは、飼い犬の由莉とのお写真でした。とても親しみを感じる内容でした。
「愛子さまは動物がお好きなんです。犬のほかにも『みー』と『セブン』という名の猫を二匹飼っていらっしゃいます。
一緒に写っていた馬は皇居内の車馬課が管理する厩舎で飼育されていて、とても自然に近づいてエサをあげたりしているのは、やはり長年身近に馬がいる環境で慣れていらっしゃるのだと思いますね」
かつて上皇さまは、8歳から乗馬を習われ、学生時代には馬術部の主将としてご活躍されていました。美智子さまとご結婚後も家族で馬に親しんでこられたのです。
上皇さまは訪問先などで、愛おしそうに馬をなでられるご様子がみられたといいます。そんなご家族の雰囲気が愛子さまにも伝わっているのかもしれません。
「愛子さまは、トマトやパプリカ、オクラなどの野菜を育てたり、小学生のころからずっと飼っているお蚕を毎年ふ化させて世代をつなげているなど、自然に対するさまざまな取り組みをなさっています。
動植物とのふれあいを大切にされているのですね」
現在、愛子さまは学習院大学文学部日本語日本文学科の3年にご在学中です。学生生活は、どのようにお過ごしでしょう。
「大学の授業の大部分をオンラインで受けています。自分から天皇陛下と雅子さまにコロナを感染させるようなことがあってはならない、と思っていらっしゃるのではないでしょうか。
ただ、雅楽を鑑賞されたり、東京国立博物館の展示をご覧になったりするなど、ご自分の勉強のテーマに沿ったものへのお出かけが増えています。勉強に熱心に取り組まれているご様子がうかがえます。これからはさまざまなお出かけの機会が増え、国民と直接接するようになっていくといいですね」
【写真】未来の皇室を担う若き皇族の3人
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1-5 写真/JMPA
6-13 写真/宮内庁提供
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