坂間を演じるのは大変です(笑)。私も全力で立ち向かっていく強さを持ちたい


ーードラマ版が好評だった『イチケイのカラス』が映画化されると聞いたときの感想を教えてください。

黒木華さん(以下、黒木):私はドラマから映画に派生する作品に出るのが初めてだったので、最初はびっくりしました。たくさんの方々が『イチケイのカラス』を気に入ってくださった証拠だなと。そう思うと感慨深い気持ちにもなりました。

 

ーー坂間千鶴は法律用語を盛り込みながら会話の相手を詰めていく女性です。そこが視聴者としては面白いのですが、演じている黒木さんにとっては消費カロリーが激しい役柄なのでは?

黒木:そうですね。坂間を演じるのは大変です(笑)。これまで演じてきた役の中でもいちばん喋るタイプですし、裁判官としてキャリアを切り開くことに強い意識を持っていて、喋り方も理路整然としているんです。まくしたてるようなセリフも多く、ドラマでも苦労しながら演じた記憶があります。坂間はキャラクターの紹介欄に“真面目”や“堅物”と書かれがちですが、何事にも全力で真っすぐに立ち向かっていく強さを持っているんです。私もそうでありたいと思うし、共感しながら演じることができる役です。

 

ーー『イチケイのカラス』という作品の魅力はどこにあると思いますか?

黒木:坂間を含めた、登場人物それぞれが正義と向き合っていて、悩みや葛藤を抱えながらも前に進んでいるんです。私も演じながら考えさせられる瞬間が多いのですが、主人公の入間みちお(竹野内豊)を筆頭にチャーミングな人が多いですよね。ちなみに私の推しは駒沢部長(小日向文世)。ドラマではコスプレするシーンが楽しみでした(笑)。コミカルな軽やかさもありながら、真実や正義を追う重みも感じられるところが作品の魅力だと思います。

ーー草野球のシーンでは竹野内さんからアドリブを仕掛けられたそうですね。

黒木:「坂間千鶴、アウト〜!」と、台本にないセリフで挑発されて、すごくイラッとしました(笑)。竹野内さんはかっこいい方ですが、いつも自然体で気取らない人なんです。ご自宅ではソファで寝落ちすることもあるとお聞きし、親近感がわきました。