小学生で留学する「デメリット」は?

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写真:shutterstock

では、反対にデメリットとして感じていることは?

①英語が習得できていないと、同じ学年の子供たちと同じ進度で授業を受けられない
②分からないことをちゃんと伝えられないと、分からないまま
③子供の学校の送迎が必ず必要。習い事も親の送迎が必要
④日本語を忘れてしまう可能性がある

小学生で留学させたことに関しては、基本的には満足しています。ですが、どんな選択をしても完璧はないと思います。気になったことをいくつか挙げました。

①は子供が英語をどれくらい日本で学んできたかによります。カナダの小学校に入学すると、留学生は英語のテストを受けます。その結果に応じて、英語のサポートが必要な子にはELL(English Language Learners=英語を母国語としていない生徒)プログラムを受けることができます。これは留学生にとってはとてもありがたいプログラムではあるのですが、このELLの授業は、現地の子供たちがフランス語や社会などの授業を受けているあいだに行われます。なので、一部の授業が“空白”になってしまうのです。もちろん、英語を習得しないことには、難しい授業も頭に入らないので、仕方ないことではありますが、現地の子と完全に同じカリキュラムを受けられないことは、ご家庭によっては気になる方もいらっしゃるかもしれません。

また、授業で分からないことはちゃんと先生に伝えないと、分かっているものとして進みます。留学生だから、英語が流暢ではないからと毎回気にしてもらえるわけではありません。うちは「先生が教えてくれなかったから」と自分から質問をしなかったため、算数の授業をまったく理解していなかったということがありました。それに気づいてからは、私が担任の先生に報告、相談することで、どうすればいいか、一緒に考えてもらうことができました。

 

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日本にいたときよりも、親のサポートが求められることが3つ目のポイントです。日本では小学校1年生から子供ひとりで登校するのが普通ですが、こちらは親の送迎が必要です。小学生でいちばん上の学年のグレード7(12歳)になるとひとりや、友達同士で登下校をしている姿も見ますが、基本的には“親と一緒”です。また、土地が広大なためか、習い事が近所にまとまっていることが少なく、自宅から離れていることも多いので、子供の習い事の送迎も必要。我が家は春から子供の野球チームの練習が週4〜6回あるようで、今から時間のやりくりをどうしようとドキドキしています。

最後に④について。うちは6年生まで日本の小学校にいたので、ある程度漢字の読み書きは学んでから来ましたが、それでもカナダにいる限り、日本語の教育は小学校6年生のままで止まってしまいます。日本からの留学生の人数はそれほど多くなく、日本語を使う機会も少ないため、日本語の本を読む、日本語で学べる補修校に通わせるなど、親がその環境をつくらない限りと、日本語をどんどん忘れてしまう心配があります。いつか日本に帰国する予定があるなら、特に気をつけたいポイントだと思います。

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構成・文/高橋香奈子

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