2022年8月から小学生の息子と一緒にカナダのバンクーバー地域へしばらく移住をすることにしたファッションエディターが発信。母子留学を考え始めたきっかけから出発当日までの準備、渡航後は現地の学校や暮らしをリポートする連載です。今回は、留学生が英語での授業についていけるのか問題について。

 

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巷で囁かれている「日本で算数ができたら、海外では問題ない」を鵜呑みにしていた

写真:shutterstock

海外留学に興味をもったことがある方なら一度は聞いたことがあるかもしません。
「海外に出ると日本人は算数が得意なのが分かる」
「英語が分からなくても算数の成績は心配しなくていい」
「日本の九九は最強」
「海外よりも日本の算数のほうが進んでいるから大丈夫」
こんな日本の算数にまつわる数々のウワサ? 都市伝説?
私はすっかりこれを信じていて、海外で算数を学ぶことに対して特段準備をせずに渡航したのです。
 

英語の問題文や、算数ならではの単語の意味がわからない!


息子の留学生活が始まり、しばらく経ってのこと。学校で済ませてきた算数のプリントを何枚か持って帰ってきました。すると……計算問題はできていましたが、白紙のプリントがあったのです。聞けば、問題の意味が理解できないからどう答えていいかわからなかったとのこと。

プリントを見てみると、英語で算数を習ったことがない大人の私にもまったく理解ができない単語がずらり……。
「Prime number」
「Common multiple」
「Decimals」
「Hundredths」
「Powers」
「Exponent」
などなど。英単語の、そして問題文や解説の意味がわからないから、日本で習っていた範囲だったとしても、答えることができないでいたのです。今思えば当たり前のことなのに、この点の予測がまったくできていなかったため、気づいたときには途方に暮れました。

息子が通っているカナダの小学校の場合は、日本のように教科書がないため、また新参者の私はまだカナダのカリキュラムを理解していないため、子供が今学校でどんな単元をやっているかを知るのが難しい。それもあり、息子が困っていたことに気づくのが遅れてしまったのです。

ちなみに、先ほど紹介した単語の意味はこちらです。
「Prime number」=素数
「Common multiple」=公倍数
「Decimasl」=小数
「Hundredths」=100分の1の位、小数点第2位
「Powers」=累乗
「Exponent」=指数(累乗の右上の小さい数字)

英単語がわかっても、単に計算すればいい問題ではない場合はさらに難しい。
たとえば、
「Write the following decimal numbers in words?」
次の小数を文字で書けという問題ですが、問題文を日本語に訳せたとしても、どうやって書けばいいかすぐにはわかりませんよね? 答えは小数が5.05なら、答えはFive and five hundredthsになるのですが、大人の私でもこれも訳したあとに、この問題の解き方を検索して、やっと辿り着けたほど。

Explain(なぜそうなるか説明せよ)、Give a definition of(〜を定義せよ)と言われたらもうお手上げです。英語で理由や定義を解説するのは、英語初心者の小学生にはもちろん、大人でも頭を抱えます。

昨日は学校から持ち帰った宿題の算数のプリントを終わらせるのに2時間以上かかりました。しかも、理解できない問題はいくつか飛ばしてこの時間です……。

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