スタイリスト福田麻琴さんが、身の回りの”愛するモノ”について語ります。

 

いつかの誕生日、夫が夫になる前にくれた指輪です。
ブランドもデザインもリングの太さまで、きっちりと指定して買ってもらった指輪……。
あぁ、ノーロマンスな思い出。
スタイリストと付き合うと厄介なもので、こだわりが強すぎてプレゼント選びが面倒臭いそうです(笑)。
そりゃそうね。

 

だからあの年の誕生日も何が欲しいか聞かれて、まっすぐに答えました。
「カルティエのトリニティ!」 と。
そして夫婦になったらさらに遠慮なく伝えられるようになり、
花とか美味しいものとか、そういうものをプレゼントしてください、とお願いしています。
もしくは最新の炊飯器とか、吸引力の落ちない掃除機とか、間違いのないものを、と。
だってきっと欲しくないものだったら、さらにそれが高価なものだったりしたら……残念な顔が遠慮ぜず前面にでてしまいそうで(笑)。
こちらもノーロマンスですが、気まずい思いもしないし、もったいないことにもならないので今のところいい感じ。
我ながら合理主義者だわ。

私はどのブランドに関しても、トレンドにはあまり興味がなくてそのブランドのアイコンになるアイテムが好きです。
アイテムそのものというよりはそこにまつわるストーリーが好きなんです。
そしてカルティエといえばトリニティ!
カルティエを代表するリングです。

 

ずっと憧れていたリングで、3色の異なるゴールドにそれぞれ意味があり、
ホワイトは友情、イエローは忠誠、ピンクは愛。
だから恋人に送るのにはピッタリなリングなんです。
フランスの芸術家、ジャンコクトーが小指にふたつ重ね付けしていたことでも有名なリングで、恋人のためにデザインしたとかしていないとか……。
そんなロマンティックな逸話が残っていたりします。
大好きなジャンコクトーに影響されて、買わされたと知ったら夫は怒るでしょうか(笑)?
まぁ、言わなければいいか。

今もこのリングが大好きだし、お風呂に入る時も寝る時もずっとつけています。
外すのは年に何度かネイルサロンの時だけ。
これはもう私の一部。
なのでそのまま結婚指輪になりました。
婚約指輪はもらっていないのですが、いつの日か買ってくれると言っていたので、こちらもきっちり指定させて頂こうと企んでおります。
URL付きでね(笑)!
 


写真・文/福田麻琴
 


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