スタイリスト福田麻琴さんが、身の回りの”愛するモノ”について語ります。

 

バレンタインがありましたねぇ。
会社員でもない私は、義理チョコレートを配る風習もなく、贈る親しい男性といえば夫と息子。
夫はそんなに甘いものが好きじゃないし、息子に至ってはチョコレートが嫌い。
そんな事情もありまして、私にとってバレンタインデーは学生の時みたいに大きなイベントではなくなりました。
一番盛り上がっていたのは小学生の時かなぁ。
一生懸命手作りして、うまくいかなくてはやり直して、ラッピングを選ぶのも、ちょっと気のないようなメッセージを考えるのも、全てがキラキラワクワクした思い出があります。
むしろ好きなイベントでした。
あぁ、時は人を変えるのね。
今の私にはこのバレンタインという日でビジネスをしている大人達の気持ちの方がよっぽど理解できる。
目一杯仕込んで、売り上げていきましょう(笑)!
そんな盛り上げ上手な大人達のおかげで、街はハートとピンクに溢れ、ハッピーソングが流れ、興味がないとは言いつつも、ちょっとしたギフトを探し出しちゃったりして。
それは家族にだったり、いつもお世話になっているスタッフのために。
そしてなぜか、本当になぜか、頑張っている自分のために。
これ、なんで?!
誰かのためにと思いながら、最後は結局自分へのギフト探し。
どんだけ自分にギフトするのよ。
どんだけ自分に甘いのよ。
むしろそこに一番時間がかかったりしてさ(笑)。
まぁ、この自分への甘さが私の心を健康に保っているのは間違いないんだけど、それにしてもどうなのさって頻度で自分でも笑っちゃう。
あ、私は自分にも甘いのですが人にも甘いんです。
行き当たりばったりの人生、なんでも楽しめる性格なので、ドタキャン、遅刻、なんでもありです。
それで怒ったことはほとんどありません。
怒られたことはたくさんあるけど(笑)。
そんな私が自分へのバレンタインギフトに選んだのは、エルメスのリップです。

 

春になったらマスクをはずすとか、はずさないとか。
恐ろしいけど、そろそろ数年間分きざまれたほうれい線と向かい合わなければ!
少しでも口元を素敵に見せたいのもあるし、元々大好きなリップがやっと塗れるというおめでたいセレモニーの意味も込めて選んだのは、
ルージュエルメス85、ルージュ ア レーヴル マット。
ボルドーに近い深い赤で、憧れの赤でもありました。
それまで赤リップといえば朱赤やオレンジに近いものが好きでしたが、いつかこんな赤が似合う大人になりたいとずっと思っていました。
そしてきっとこのマスク期間の間に十分大人に成熟したはず。
だから思い切ってこの色を自分にギフトしたんです。
新しいリップをした私が、きっと新しい楽しいことに出会うはず!
って、願いを込めて。

 

写真・文/福田麻琴
 
 


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