現在ミモレストアで発売中のバケツ型、ボトル型の2種類がセットになった「ミモレ別注・Sghrのフラワーベース」。日本の老舗ガラスメーカー「Sghr スガハラ」、そして人気フラワースタイリスト平井かずみさんとのトリプルコラボです。前回の記事で平井かずみさんが教えてくれた、簡単に美しく花を生けるコツ「3の法則」。今回はこの法則について、バリエーションも含めてさらに深掘りしてご紹介いただきます。
教えてくださったのは、
フラワースタイリストの平井かずみさん
花を活けるときは「3」を意識するとバランスよく活けられるという「3の法則」。前回の記事ではバイイングディレクターの福田麻琴さんが同じ花3本を使った「3の法則」にチャレンジしましたが、今回は3種類の花を使ったアレンジを平井さんにご紹介いただきます。
簡単にバランス良く活けられる「3の法則」
たくさんの本数がなくても大丈夫!
日常の花のアレンジは「3本」あればOK
前回は同じ花の種類でのアレンジを教えてもらいました。今回は「3」種類の花を使って活けていきます。まずは平井さん、なぜ3本なのでしょうか?
「2本だとどうしても平面的になり、のぺっとした印象になりがちなのですが、3本あると前後、左右、上下それぞれに空間が生まれて、立体的に活けることができるんです。前回お話したとおり、同じ花を3本なら、咲き頃の違う3本を選ぶとさらに立体感が出ます。また種類が違う場合は、主役の花、添えの花、緑の葉物、と役割の違う3本を選ぶと、より表情が豊かになりますよ」(平井さん)
種類の違う「3本」で活けると、本数が少なくても表情豊かに
春の代表的な花「チューリップ」の活け方のコツって?
3の法則で活ければ、花の正面も横顔も後ろ姿も味わえる
使った花器はミモレ別注・Sghrの「バケツ型」
季節を感じる枝を日常に。美しく一枝挿しする方法は?
ボトル型の花器は、花はもちろん、枝を飾ることもイメージして作られました。季節が感じられることで人気の“枝物”ですが、たくさんの量を活けなくても、1本で美しい佇まいを楽しめるのが今回のボトル型の花器です。
枝物をより長く楽しむコツは「根元の切り方」
枝ものを長く楽しむコツは、根元の処理もポイント。ただ、反対側の皮を削ぐのは春夏だけ。春夏は草木も成長する時期なのでたくさんの水を必要としますが、冬はそこまで必要とはしないので、冬に枝物を活けるときは斜めにカットするだけでOKだそう。
ボトル型の花器でひと枝挿しが完成!
使った花器はミモレ別注・Sghrの「ボトル型」
花を長く楽しむために行いたい「水切り」とは?
花を長く楽しむには、きれいな水にこまめに変えるなど、飾ったあとのお世話も大切。でも、事前処理がしっかり出来ているかどうかが大きく左右します。事前処理のいちばんのポイントとなるのは「水揚げ」。水揚げは、花が長持ちするように水を吸い上げやすい状態にしてあげること。いくつか方法がありますが、平井さんのおすすめは水中での「水切り」だそうです。
水中でスパッと切る「水切り」で新鮮な切り口に
「茎の先を焼く『焼き揚げ』、湯につける『湯揚げ』など、事前処理にもさまざまな方法がありますが、いちばん簡単で効果が高いのが『水切り』という水中で茎を切る方法です。水中で切ることで断面が空気に触れることなく、新鮮な切り口からぐんぐん水を吸ってくれます」
「水切り」をしたら、あとは花瓶に活けるだけ
「花を飾った後も、こまめに水を替えたり、茎を切って新鮮な切り口にしてあげることで、格段に長持ちします。人間だって濁った水を飲んだらお腹を壊してしまいますよね? 花も人間と同じ。いつもきれいなお水の中で過ごさせてあげましょう。ガラスの花瓶だと、花の状態や水の濁り具合がひとめでわかるから、お世話がとってもしやすいんです。あとは日が直接当たる場所は、花の咲きがどんどん進むので避けたほうがベター。冷暖房の風が当たらない場所に置くこともポイントです」
平井さんが話すように「花も人間も同じ」。花にとって心地いい環境を作ってあげることが、きれいに長く楽しむコツのようです。
取材・文/幸山梨奈