色とりどりの春の花を、街や店先で見かける自然の美しい季節となってきました。前回に引き続き「自宅で簡単に楽しめる花の活け方」を教えてくださるのはフラワースタイリストの平井かずみさん。今回は春を感じるチューリップなどの球根花や、プレゼントなどでも人気の「球根」を活けるコツを教わります。

使用する花瓶は、現在ミモレストアで発売中の「ミモレ別注・Sghrフラワーベース2種」。日本の老舗ガラスメーカー「スガハラ Sghr」、そして平井かずみさん、ミモレストアのトリプルコラボです。

教えてくださったのは、
フラワースタイリストの平井かずみさん

profile:雑誌やCMでのスタイリング、TVやラジオ出演を通し、草花を身近に感じられる「日常花」の提案をしている。著書に『季節を束ねるブーケとリース』(主婦の友社) 『あなたの暮らしに似合う花』 (扶桑社)など多数。今回の撮影は平井さんのアトリエ「皓 SIROI」にて。アトリエでは、定期的レッスンも開催している。詳細はこちらから。

花生けで使うのはボトル型とバケツ型、2種類の花瓶

ミモレ別注・Sghrフラワーベース2種セット(左・バケツ型、右・ボトル型)¥21800/m-molletSTORE 素材:ガラス 

バケツ型は数本から花を飾りやすい形に、そしてボトル型はひと枝から簡単に飾れるようにとデザインされていますが、実は他の植物を飾っても、違った雰囲気で楽しむことができます。まずはバケツ型に、春を感じる人気の「球根花」を活けてみます。

底面が広いバケツ型の花瓶は、球根花も活けやすい

「ミモレ別注のバケツ型花瓶は、底面の直径が約10㎝。ヒヤシンスなら3本がちょうどいい大きさ。底面が広くても高さがないもの、軽すぎる花瓶だと、花が倒れてしまうので、茎が寄りかかれる程度に高さのある花瓶がおすすめです」
「切り花を活けるときは先に水を入れてから花を挿しますが、球根花は水はあとから注ぎます」
「球根花は専用で販売されている、細い根だけが水に浸かる花瓶じゃないとダメなのか? と聞かれることがありますが、専用の花瓶じゃなくてもちろん大丈夫です。上手に育てるコツは水の量にあります。球根が水に浸かると腐ってしまうので、“白く細い根だけが浸る量”を注ぎ入れるのが大切です」


バケツ型×球根花で季節を感じる飾り方を楽しむ

Kazumi's Comment
球根花の魅力は咲いている花だけでなく、球根部分にもあります。ガラスの花瓶なら、ちゃんとどちらも見えるし、腐りやすい球根や根の状態もしっかりチェックできるので、お世話がしやすいんです。

チューリップを「3本の法則」で華やかに活けてみる

口の広いバケツ型は、花の本数が少なければ余白を感じる活け方に。多めにすれば、より広がりのある華やかな活け方が出来るのが嬉しい。

「同じ花を3本、または種類の違う3本を使った生け方『3本の法則』をご紹介しましたが、今回は応用編で本数を増やしたボリュームある飾り方。とはいっても、基本の考え方は同じです。3本の3倍で増やしていくと、色合いやボリューム感などもバランスが取りやすいんです。今回は主役の花、添えの花、グリーンをそれぞれ各3本ずつ、全部で9本で活けました」

主役の花3本も長さを変えて表情をつけます

「主役の花となるチューリップ3本も少しずつ長さを変えると奥行きが出ます」
「葉が水に浸かると腐りやすいので、根元に近い部分の葉は落とします」

本数が増えることで表情や立体感がアップ!

主役のフリンジ咲きのチューリップ、添えの花のスカビオサ、グリーンのテッセンをそれぞれ3本ずつ活けると、前後左右に広がりが出て、とても華やかに。
Kazumi's Comment
飾る本数が増えることで、花の長さや向いている方向もさまざまになるので、より広がりが出て、立体感のある飾り方に。バケツ型は本数が増えても、口が広いのでお花がぎゅっとせず、ふんわりと活けることができるので、空間を感じさせる活け方が得意な花瓶です。

ボトル型の花瓶には花を飾ってみる

「高さのあるひと枝挿しを想定したボトル型の花瓶ですが、茎のしっかりした花を活けても素敵です」

水をたっぷり入れて、ボトルの側面で固定

細くなったボトルの口の部分までたっぷり水を入れて、少しだけ挿した茎が水に浸るように。

「ボトル型の花瓶は高さが約35㎝あるので、長さのある花を活けると、中にすっぽり入ってしまう形に。もちろんそれも素敵なのですが、こんなふうに細くなった口の部分に引っかけるようにすると、長さがそこまでない花でも活けることが可能です。花の長さは、花瓶と花が1:1になるように切っておくと、バランスよく飾ることができます」

今回使用したのは「ミモレ別注・Sghrフラワーベース2種セット」

花の数を問わず、空間を生かした飾り方ができる「バケツ型」

ブーケをそのまま活けるにも、数本だけ活けるにもバランスがいいバケツ型。高さ約12.5㎝なので、テーブルに飾っていても安定感があり、部屋にも馴染んでくれます。バケツ型サイズ/口径:約14.5cm、高さ:約12.5cm、底径:約10cm


テクニックいらずで枝物がセンス良く飾れる「ボトル型」

枝ものを気軽に飾ることを考えて出ザイされたボトル型。高さ約35㎝でほどよく存在感はあるものの、スマートなフォルムなので、圧迫感なく、飾りやすいデザイン。ボトル型サイズ/口径:約5.3cm、高さ:約34.5cm、底径:約8cm

ミモレ別注のスガハラの花瓶2種セットは、幅広い草花をアイデア次第でさまざまに活けられます。花生けが好きな方にも、花のある生活を始めたいなと思っている方にも使い勝手の花瓶なので、気になった方は、ぜひ受注期間中にご検討下さいね。

撮影/西あかり
取材・文/幸山梨奈 構成/朏亜希子