<前編のあらすじ>
ある日、スマホで「事務職の仕事はRPAに置き換えられるかも」というニュースに衝撃を受けました。
調べてみたところ、現在の業務でもRPAが活用できそうだとわかり、会社の許可を得て、業務時間中にRPAの勉強と実践を始めます。プログラミングの基礎概念に苦戦しましたが、1か月後には初めてのRPAが完成。またTwitterでRPAを学んでいる人を見つけ、毎日学んだことを投稿するようになりました。
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地方住み・アナログ事務職が、お金をかけずにデジタル人材になる方法>>
RPAを勉強している人の中には、どんな業務で使えるのかイメージできない、という人もいますが、私は次々と自動化したい業務がでてきました。16年の事務職の実務経験が活かされている実感がありました。RPAで自動化するためには業務手順やExcelワークシートの修正が必要な場合がたびたびありました。業務の目的、アウトプット、リスクなどをよくわかっていたので、担当者に理解を求めながら少しずつ修正した上で、RPAによる自動処理に切り替えていきました。
毎年、紙で提出していた行政機関への報告もRPAで行えるよう、総務省が提供している「e-Gov電子申請」に切り替えました。電子申請ができるようになったことで、市役所やハローワークに行く頻度が大幅に減り、担当者から楽になったと喜んでもらえました。
活動2年目にはRPAを一緒にやりたいという社員が現れ、一緒に調達や経理業務を次々と自動化していきました。「手順が煩雑かつ期日に追われる集計作業や伝票送信作業をRPAがやってくれるので、結果を分析する、本来やるべき業務を考える余裕ができた」と言われ、とてもやりがいを感じました。
RPA活用とともに、デジタル化を全社で進めようと会社も動き出し、IT推進課が初めて設置されることも決まりました。
もっと学びたいのに。転職がよぎった瞬間オファーが届いた
RPAを活用が進むと、紙の申請書、ハンコ、FAXが自動化やデジタル化の阻害要因であることが明らかになってきました。社内申請をデジタル端末上で行えるワークフローを導入しようと考え、1年ほど粘り強く提案を続けましたが却下が決定。もう提案もするなと言われてしまいました。業務を効率化して、もっと価値ある仕事ができるようにしたい、自分自身のデジタルスキルをもっと高めたいのにチャンスが与えられない。チャレンジができる会社に転職すべきか、と悩み始めました。そして、他にも辛い状況が続いたタイミングで、耐え切れず衝動的に会社の化粧室から「転職したい」とTweetしてしまいました。すると翌日IT企業からオファーが届いたのです。ビックリしましたが、こんなチャンスは二度とない、と思いました。
自分から履歴書と職務経歴書を送ったところ、即オンラインミーティングとなりました。「事務職が主体的にRPAを学び、アナログな職場で周囲の理解を得ながら活用してきた経験を評価しています。フルリモートでうちに来ませんか」と言われました。リモートワーク経験は1日もなく、IT企業で働いたことも、IT職の経験も全くないけれど、実践の経験を評価している、と言われ、とても嬉しかったです。私のキャリア、ここで大博打に出よう。思い切って入社してみることにしました。
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