思うに、「人のモヤモヤ」をそのまま自分事として浴びてしまうのはなかなか危険なことなのではないかと

マチコさんは、自分ではセックスレスが問題だと思っていなかったのに、後輩さんのモヤモヤを聞くことによって「あれ、私たちもまずいのかな……」と不安になってしまったんですよね。もちろん、ずっと心の奥に押し込んでいた不安な気持ちに気づかされたということならそれは意味があると思います。でもお話を聞く限り、マチコさんご夫婦は会話も多くてとても仲がよさそう。わざわざ、人のモヤモヤをそのまま浴びてしまう必要はないんじゃないかなと思いました。
 

セックスの快楽<話を聞いてもらうこと

 

「人のモヤモヤ」の前向きな扱い方は、「悩んでいるのは自分だけじゃないという勇気をもらう」「新しい視点を得て、自分の人間関係に生かす」。

自分もセックスレスに悩んでいるなら、後輩さんの話を聞いて「よかった。悩んでいるのは私だけじゃなかった」と安心することができたでしょう。そのことから勇気をもらって、どうにかして解決できるように行動できるようになるかもしれません。その飲み会の場で、何か良い案をもらえたかもしれませんしね。

マチコさんのように悩んでいない人にとっては、「世の中にはセックスレスで深刻に悩む人がいるんだな」という視点を一つ得たということになります。

逆に自分が悩んでいないせいで、「セックスなんてたいして大事じゃないよね」という言動をしてしまい、無自覚に人を傷つけることだってありえますよね。「自分の価値観が常に正しいわけではない」ことを知ると、コミュニケーションにより注意深くなれます。それは、マチコさんの今後の人間関係にとって、プラスなのではないでしょうか。

最後に、「妻とセックスレスなら、夫は浮気してるはず」という発言について。もちろん、マチコさんのご主人が実際にどう感じているかは分かりません。しかし脳科学の世界では、「自分の話を思いっきり聞いてもらうことは、セックスの快楽に勝る」という研究結果があるらしいですよ。マチコさん夫婦にとっては、「セックス<会話」なのかもしれないですね。

 

皆さんのモヤモヤ話を教えてください!

職場や家庭で、イラっとしたけど言えなかった、違和感を感じたけど言葉にできなかった、モヤモヤしているのは私だけ? と思った経験がありましたら教えてください。エピソードを掲載させて頂く際はミモレの会員ニックネームではなく、仮名でご紹介します。皆さまからのエピソード投稿をお待ちしております。

応募する

〔ミモレ編集室〕は、ミモレのオフィシャルコミュニティです。「好きを伝え、つなぎ、つながる」をキャッチフレーズに、〔ミモレ編集室〕メンバーの一人一人がこれまでに培ってきた美意識や好きなこと、最近気になっていることなどを自由にシェアし、繋がる場です。

文/梅津奏
作画/Sumi
構成/山本理沙

 

前回記事「「あれ、マスク外さない派?」という視線が痛い...マスク着用ルールの緩和に喜べない私」はこちら>>

 
  • 1
  • 2