腐っている暇はない。貪欲に熱中して人生を過ごせていけたら
——昨年は俳優デビュー25周年を迎えられました。これまでのキャリアで進むべき道に迷ったときは、どんなスタンスで決断することが多かったですか?
吉田:迷ったら「ワクワクする選択肢」をチョイスしてきたと思います。やらなかったことに後悔するくらいなら、挑戦することで視野を広げて、ダメだったらやり直せばいい、というスタンスです。もともと冒険心が強いタイプですし、何事も思い切って挑戦すれば経験値が増えるじゃないですか。途中で間違えてしまっても、失敗から学べることもあります。そういう心持ちでいれば逆境に立たされても楽しく思えますし、何が起きても乗り越えられる気がしますし、実際に私は25 年も俳優を続けることができました(笑)。
——25 年間でたくさんの実績を残してこられましたが、まだやり残していることはあるのでしょうか?
吉田:叶えたい夢はたくさん残っていますし、今後も変わらず、何歳になってもワクワクすることに挑戦していきたいですね。私は自己肯定感が高いわけではなくて「だからあなたはダメなのよ」と、自分で自分を否定しがちな一面もあるのですが、同時に「今日からでも遅くない。頑張れば変われる」と背中をおしてくれる自分もいる。腐っている暇はないですから、貪欲に、熱中して人生を過ごせていけたら嬉しいです。
——今後の人生で、どんな女性になりたいですか? 吉田さんの理想像を教えてください。
吉田:私の人生のテーマは、優しい人になることなんです。どうしても心の中で人を羨んでしまったり、批判してしまったり、ネガティブな感情を抱いてしまう瞬間があって、その度に、もっと優しくなりたいと思うんです。相手の魅力を見つけたり、感謝できるポイントを見つけたりしながら、いつでも優しい気持ちで自分を満たせるように努力していきたいと思っています。
——優しい人になるための近道は、美味しい料理を食べることでは? 有名店の人気メニューを食べながら怒っている人はほとんどいないと思いますし。
吉田:そうですね。美味しい料理を食べると幸福感が生まれますからね。そんな刺激を探していらっしゃる方は、是非とも『ヒツジメシ』を参考にしていただきたいと思います。私もグルメに関する旅と修業を続けていって、いつか2冊目を出せる頃には今よりもっと角の取れた優しい大人になっていたいですね。できれば、次は8年かからずに出せたらいいな(笑)。
■INFORMATION
『ヒツジメシ』
雑誌『おとなの週末』の連載をベースに、2015年1月号の第1回から現在までの約90回にわたる記事を見直し、大幅に手を入れてまとめ上げた1冊。吉田さんが選ぶとっておきの「おいしい」を紹介しつつ、女優・吉田羊の人生や歴史が垣間見える内容となっている。特に原点ともいえる母の味「ヨシダメシ」や、下積み時代のエピソードなど、吉田さんの人となりがわかるグルメエッセイ。女子が気になる美と健康などについても触れられている。
定価:本体1600円(税別)
判型/ページ:四六判/208ページ
ISBN:978-4-06-528826-9
発行:講談社ビーシー/講談社
撮影/井上絵理子
ヘア&メイク/竹下あゆみ
取材・文/浅原聡
構成/坂口彩
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