井川遥に片平なぎさ……『罠の戦争』は女性陣がカッコ良いドラマだった
本作のいちばんの魅力は、なんといっても女性陣がカッコ良すぎること! 鷲津(草彅剛)の妻・可南子(井川遥)に、秘書の蛍原(小野花梨)。週刊誌記者の熊谷(宮澤エマ)も強い芯を持っていたし、鴨井議員(片平なぎさ)もトータルで考えたら、憧れる要素がたくさんありました。
本作は全11話を通して、男社会で生き抜く男たちの“戦争”とともに、それを支える彼女たちの生き方を描いてきたと思うんです。
たとえば、可南子なんて、いわゆる古き良き女性の象徴のような生き方をしていましたよね。多忙な夫の代わりに家を守り、文句ひとつ言わない。秘書の蛍原も、鷲津のために全力で尽くしてきました。時々、「あれ?」と思うことがあっても、目をつむって。どんな時も、彼の味方で居続けてきた。
蛍原のように社会で生きていくにしても、可南子のように家庭を守るにしても、我慢なしではうまくやっていくことができません。でも、2人にとってその我慢は、苦しいだけのものじゃなかった。蛍原は、議員としての“わしづ亨”を、可南子は夫としての“鷲津亨”を愛していたからこそ、全身全霊をかけて支え抜くことができたんだと思います。
この、“女性が男性を支える”という構図は、第10話までずっと変わらないままでした。初の女性総理を目指していた鴨井が、“母”としての生き方を選択したように。やっぱり、女性がトップに立つのはむずかしいのかなぁ……とモヤっとした人も多かったのではないでしょうか。
だからこそ最終話で、可南子が政界に進出したのは、私たち女性にとっての“希望”になってくれました。鷲津を陰で支えてきた彼女が、自分の道を自分で歩き出したこと。支えてもらう側が上で、支える側は下とかそういうわけじゃないけれど、自分の夢を持った可南子はとっても輝いて見えた。
それに、これまで支えられてきた鷲津が、可南子を支える側にまわったのも、なんだか素敵ですよね。続編がありそうな終わり方だったので、鷲津が可南子の政策秘書になり、2人で弱き者を救っていく姿が見られたらいいなぁ……と期待を膨らませています。
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