こんにちは、エディターの昼田です。
今着ている洋服のおかげで、あなたはどんないいことを経験できているでしょうか。
たとえば、
・このニットのおかげで体を温めながら外出することができた
・このパンツのおかげで、ヨガに思いっきり集中することができた
・このスカートのおかげで、安心して仕事に取り組むことができた
この一枚があるおかげで、どれほどのことが経験できたのだろう。今の私は、どの洋服にも等しく感謝の気持ちがあって、そこにはブランドも値段も、愛用年数も関係ありません。
実はこんなふうに考えられるようになったのは、最近のこと。洋服にありがとう、なんて思ったこともありませんでした。
変わるきっかけはちょうど一年前の出来事。
我が家に届いた、賃貸契約に関する一枚の通達。
それは、あと半年以内に退去してくださいという契約終了の通知でした。もともと2年の定期借家物件だったのですが、きっと延長になるだろうと高を括っていたら、ガーン……。
また引越しとなるとお金かかるなぁ。しかも理想の家に出会えるとも限らないし。仕方がないとはいえ、落ち込みました。
それ以来、もうこの家で過ごすことはないんだよな、と”終わり”を意識するようになったからでしょうか。ある日玄関を開けて飛び込んできた景色に、ハッとしました。
青空と雪山とのコントラスト。こんな美しい景色が毎日あったはずなのに、私は気づきもせず、味わいもせず。見ているようで見ていなかった。こんな豊かさが毎日あったはずなのに、そのありがたさに少しも気がついていなかった。あぁ私、なんてことをしていたんだろう。目の前のことを素通りして生きていた。
玄関からの景色だけじゃない、この家の好きなところを探してみたらたくさんあって。広々とした玄関、清潔感のあるトイレ。収納の多い洗面所のおかげで、整理整頓がうまくできたな。風が通る廊下は夏が気持ちよかったな。家からたくさんの恩恵を受けていたわけです。
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