19歳、29歳、そして39歳。“9”がつく年齢って、なんだかそわそわしませんか? 女優の北川景子さんが、29歳の時に出演した『しゃべくり007』(日本テレビ系)で、「30ですってスッと言えるのがラクになる!」と話していたことがあったけど、たしかに「○9歳です」って答えるのって面倒くさい。

「もうすぐ〇〇代突入じゃん!」とはやし立てられると、やり残したことがあるような気がして焦ってくるし、「まだギリギリ〇〇代って言いたいの?」と勘違いされたくなくて(そんな人はいないだろうけど)、「えっと、もうすぐ30なんです」と逆サバを読んでみたり。とにかく、“9”がつく年齢ってなにかとしんどいんですよね。

ただ、19歳の時は山川健一さんの本『みんな19歳だった』(講談社文庫)があったし、29歳にはドラマ『29歳のクリスマス』(フジテレビ系)が存在してくれた。そのおかげで、「ドラマの題材になるくらいに、みんな悩むお年頃なんだな〜」と思うことができたけど、39歳はどうすりゃいいの!? って。

だから、昨年の冬に韓国ドラマ『39歳』(Netflixで配信中)がスタートした時、なんだかホッとしたんですよね。画面のなかのスターたちが、自分と同じ苦しみや葛藤を抱えていて、それでもどうにか生き抜こうとしている。ドラマや本って、友達と「もう私たち〇〇歳だよ〜どうする?」と言い合うのとはまた違う種類の“救い”を与えてくれるんです。

Netflixオリジナルドラマ『39歳』 配信中。©︎Netflix
『39歳』のあらすじ
高校時代に仲良くなり、うれしいことも辛いこともともに乗り終えてきたチャ・ミジョ(ソン・イェジン)とチョン・チャニョン(チョン・ミド)、チャン・ジュヒ(キム・ジヒョン)の親友3人組。40代を目前にした39歳の時、そのなかのひとりの余命がわずかであることを知らされて……。

『39歳』は、ただ人生の楽しい部分だけを切り取った作品ではありません。年齢を重ねるごとに出てくる身体の悩みや心の症状、戸惑いや葛藤などもリアルに映し出されています。それなのになぜか、心のなかにじんわりと温かいものが広がっていく。なんだか、老いていくことが楽しいことかのように思えてくるんです。