ジェジュンとBTSのRMが読んだ韓国エッセイスト「『SLAM DUNK』からポジティブな姿勢を学びました」_img0
写真:Mydaily/アフロ

2023年4月22日、14年間所属していたC-Jesエンターテイメントとの契約を終了したジェジュン。今後の動向が気になる彼がSNSでシェアしたことがきっかけで人気に火がついたイラストエッセイ『あなたを応援する誰か』(ソン・ミファ著、桑畑優香訳、&books/辰巳出版)が、満を持して日本語に翻訳されました。ジェジュンだけでなくBTSのリーダー・RMも読んだという本書は発売から10年経過した今でも韓国で売れ続け、27刷を記録しています。日本語版発売を記念して、著者のソン・ミファさんへのインタビューが実現。本文の一部抜粋とともにお届けします。

 


わたしのイラストと文章がジェジュンさんの癒しになったのであれば、とてもうれしい


——本書にまとめた言葉の数々は、日記のように日々書き留めていたものなのでしょうか?
 
ソン・ミファさん(以下ソン):もともと文章ではなく、絵を描いていました。絵で気持ちを伝えられればと思っていたのですが、絵だけで気持ちを伝えるのは難しいと、だんだん思うようになりました。だからいつか、わたしの思いを表現して分かち合える本を出版できたらいいなと願うようになったんです。ブログなどでイラストと文章を載せていたのが、本をまとめる際には、そんな文章や絵が役立ちました。
 
——この本を出したかった背景には、強い動機が感じられますが、どんなメッセージを伝えたいと思ったのでしょうか。
 
ソン:わたしはいつも、読む人があたたかい心になり、疲れている心をすこしリラックスできることを願いながら絵を描いています。そういうメッセージを伝えたかったんです。また、わたし自身が経験したつらいことや悩んでいた時のことを思い出しながら書きました。タイトル通り、誰かを応援する気持ちを込めたいと。でも、「頑張って」とか「頑張らなきゃダメ」というのではなく、本を読みながら心に休息を与えられればと思ったのです。

ジェジュンとBTSのRMが読んだ韓国エッセイスト「『SLAM DUNK』からポジティブな姿勢を学びました」_img1
 

ソン・ミファ
画家。エッセイスト。1982年生まれ。美術学校に通いアートセラピーを学ぶ。『あなたを応援する誰か』が第1作。他書に『나의 서툰 위로가 너에게 닿기를(わたしの不器用なやさしさがあなたに届きますように)』『어떤 날에도 위로는 필요하니까(どんな日でも慰めは必要だから)』(いずれも未邦訳)がある。

——出版当時(2013年)は、韓国社会で何か人々が共通の悩みや問題を抱えていた時期だったのでしょうか。

ソン:いいえ、特にそういうわけではありません。それよりも、わたしの個人的な状況と結びついています。10年前は、わたしが20代から30代になる時期で、個人的につらいことがたくさんあったんです。家庭がめちゃめちゃになったとか、大きな失敗をしたとか、そういうことではありません。ただ、年齢的にいろいろ思うこと、例えば未来に対する不安や彼氏と付き合うなかで傷ついたこと、人間関係で相手に傷つけられたり、わたしが相手を傷つけてしまったり。そういうことを感じながらつらかったことを、わたしはイラストを描きながら乗り越えてきました。いろいろな出来事があったので、それらを込めて本を書きました。

——ジェジュンさんが「利己的でも大丈夫」のページをSNSでシェアしたことがありました。シェアしたことを聞いた時は、どんな気持ちでしたか。ジェジュンさんに伝えたいメッセージがあれば教えてください。
 
ソン:すごく驚きました。とてもありがたいです。わたしのイラストと文章が癒しになったのであれば、とてもうれしいです。