ユミエさんの職場で問題だったのは、「飲み会」そのものではなくて「ジェンダーに対する意識に欠ける男性たちの言動」だったはず。

今はきっと男性たちが過剰反応して、「とりあえず女性との接触を避けておこう」ということになっているのではないでしょうか。だんだん「自分たちのどこが悪かったのか、どう振舞うべきか」の理解が進めば、状況も変わってくるのではないかなと思います。

会社は「社会」、ギャラリーのことまで意識して

「もう気楽に女性と会話できない...」ジェンダー意識の高まりで男性陣が委縮。それを“寂しい”と感じる私はおかしい?_img1
 

ジェンダー平等の意識が高まる一方で、「職場で気楽な会話ができなくなった」「地雷を踏みそうで女性と話すのが怖い」「気にしていない女性もいるのに……」といった戸惑いの声も実際に聞こえてきます。

「彼氏いないの?」「欲しいです~」

「そんな性格じゃ結婚できないぞ」「うるさいな~!」

「女性なんだから料理くらいできないと」「どうせ私は不器用ですよ」

そんな会話が気にならない人もいれば、もちろん女性蔑視として我慢できない人もいる。ユミエさんのように「同僚とのざっくばらんな会話がなくなって寂しい」と感じる女性もいるのかもしれません。

一方で、会社はあくまで「社会」、同僚は友達ではなく「仕事仲間」です。自分たちは良くても、周囲の人に不愉快な思いをさせるべきではありません。「この人たちはこういう価値観の持ち主なのか」と思われて、職場や自分たちの評価が下がることもありえます。

一人一人の個人としての「本音」はどうあれ、一定の線を引かなければならないことはあるのだと思います。特にジェンダーは、日本では根深い問題です。人々に染みついた「思考のクセ」のようなものがなかなか取り除けず、なかなか適応できない人・傷ついてしまう人が多いのですよね。

ジェンダー差別的な言動にとにかく「No」をつきつけることが、問題解決の第一歩なのだと思います。けれど最初に書いた通り、飲み会自体がNGなわけではないはず。職場での会話も、仕事仲間との大事なコミュニケーション。誰も傷つけない、みんなが楽しめる話題はきっと他にあるはず。新しい話題を探すことが、同僚の新しい一面を見つけることにつながるかもしれないですね。

 

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文/梅津奏
作画/Sumi
構成/山本理沙

「もう気楽に女性と会話できない...」ジェンダー意識の高まりで男性陣が委縮。それを“寂しい”と感じる私はおかしい?_img2
 

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