「手を止める」ことの怖さ。一歩踏み出すことの大切さ。
5月8日から新型コロナウイルスの感染法上の位置付けが5類に移行し、コロナ前の日常を取り戻しつつあります。2020年から始まったパンデミックで、私たちはマスクを着けるのが日常になり、人と交流する機会も激減しました。君島さんも、さまざまな人と会い、常に新しいものに触れることで刺激を受け、化粧品の商品開発や美容につなげてきただけに、とても苦しい時期だったと振り返ります。
「外に出ないのでメイクをしない機会が増えると、メイクの感覚をすっかり忘れてしまったんです。普段何気なくやっていた眉の描き方が下手になったり、朝のメイクから時間経過でどれくらい崩れるかがわからなくなったりしました。毎日の動作や感覚を忘れてしまって、手を止めるってこんなに怖いことなんだと気づきました。それからは毎日、外に出なくてもメイクをするようにしていましたね」
マスクの着用も個人の判断に任されることになりましたが、マスクで顔を隠すことに慣れ、逆に外しにくくなっている人も多いのではないでしょうか? 君島さんは、あるパーティーに参加した時に、誰もマスクをしていなかったので逆にあわててマスクを外したことがあったといいます。
「最先端の場所に行くと、マスクをしていない人が多いんだなと思いました。マスクを手放しにくい人にアドバイスするとすれば、今日が一番若く、今日とどまればそれだけスタートが遅れてしまうことになります。顔の筋肉や声帯も使わなければ衰えていきますし、とても恐ろしいこと。マスクを外して一歩踏み出すことも大切ではないでしょうか」
50代でSNSをスタートし、“アラ還”になった今も、新しい挑戦を続けている君島さんですが、40代の頃は、「人生の中で一番輝く時」と振り返ります。
「いま40代の人は無我夢中な方もいらっしゃると思いますが、私はそう実感しています。そんな中、日々の写真を撮ったり、瞬間瞬間の自分の感情を記録したり、発信したりと、証を残すことをぜひしてほしいと思っています。ネガティブな時もあるかもしれませんが、そういったことがきっと宝物になるはず。今この時代を生きていることを十分に謳歌していただきたいなと思っています」
インタビュー前編
「あの十和子さまが57歳?」君島十和子、波乱の“お家騒動”バッシングで得たものとは?>>
<書籍紹介>
『アラ還十和子』
君島十和子(著)
発売日:2023年4月20日
価格:1600円(税別)
出版社:講談社
A5サイズ 144ページ
たおやかな美貌で憧れを集める一方で、TVのバラエティ番組では激辛料理やバンジージャンプに挑戦したり、インスタライブですっぴんを披露するなど、新たな一面で私たちを魅了する君島十和子さんの7年ぶりの著作。育児と仕事との両立、子どもの反抗期、義実家やママ友との付き合い方、大人世代のスキンケアやメイク方法、そして更年期。多くの女性たちが直面する悩みについて、自信の体験を踏まえて語った7年ぶりのライフスタイル本。
撮影/山本倫子
ヘア&メイク/黒田啓蔵(Iris)
スタイリング/後藤仁子
編集・取材・文/𠮷川明子
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