日本人が社会、そして選挙に無関心な理由


ずっと日本での選挙の投票率の低さは問題になっていますが、未だ改善が行われていません。行かない人は、「無関心」というだけでなく、「誰に投票したらいいのか分からない」というのも、大いにあるでしょう。
そこには、「投票前の情報の少なさ」も原因ではないか、と個人的には思うのです。こんなに情報過多の時代なのに、投票前は自分で情報を調べないと、立候補者の情報があまりに少ないのです。それは、なぜなのか。

書籍『腐ったテレビに誰がした? 「中の人」による検証と考察』(著:鎮目博道、光文社刊)には、こういったことが書かれています。

<各局とも選挙期間には選挙関係のニュースはほとんど流さず、開票速報と選挙特番だけに全力を注いでいます。(中略)
各放送局がまさに“あとの祭り”状態で激しい競争をしているというシュールな状況が当たり前になっているわけです。すでに投票が終わっているのに、当選確実の速さを競争しても、自己満足以外なにか意味があるのでしょうか。>

そこには、テレビ局員が「公正中立」を勘違いしているのが原因だと、鎮目さんはおっしゃっています。

<本当に視聴者が知りたいのは「各党がどんなことを主張しているか」だと思います。どの党がおかしなことを言っていて、どの党がもっともなことを言っているのか知りたいのではないでしょうか。それをきちんと紹介しないで「よく考えて投票に行け」と言われても、「なんのための選挙報道なのだろう」と思ってしまいます。>

テレビ業界の人でも、この状況に疑問を抱いている人がいらっしゃるということ。できる限り、改善していただきたいものです。

 

日本では、身近な人との政治の話がタブー視されている


これだけでなく、海外では身近な人と政治の話を議論するのが一般的であることが多いのに、日本ではタブー視されているのも、問題ではないでしょうか。
「日本では、政治と宗教と野球の話はしないほうがいい」とは、よく言われる話。もちろん意見が違ったら喧嘩になったり、仲違いをしたりすることはあるかもしれませんが、人と議論を交わすことで、見識が深まることもあります。

個人的には、いい大人なのに、政治に対して意見をもたないほうが、残念なことではないか、と思うのです。それでは、誰が社会を作っていくのでしょうか?
日本の大人の意識から変えていかないと、日本の社会は成熟していかないのかもしれません。

次に紹介するのは、意外と「多くの人が陥りやすい傾向」でもあります。次のページで紹介します。