「小説に出てくる『娘たち、よりよく生きよ、よりよく生きよ』という言葉を読みながら、泣いたんですよね。ある登場人物が少女だった頃に書いた詩の一節なんですが、人生の重要なことが、そこに書かれていたんだということに、すごく感動して。『過去からのエール』を受け取ったような気がしました」

そう語るのは、小泉今日子さん。18世紀のヴェネチアの孤児院「ピエタ慈善院」を舞台に、そこに関わりながら年を重ねた10人の女性たちの様々な幸せを描いた小説『ピエタ』。7月に舞台化されるこの作品をプロデュースするにあたり「読んでいる最中から『何か作品にしたい』と思っていた」そう。心を通わせる10人がそれぞれにたどり着いた10通りの幸せの在り方は、小説の出版から10年以上の歳月を経た今、かつての時代以上に女性たちの心に響きます。

小泉さんが、まさにこの時代だからこそ共感するという理由とは?

 


小泉今日子
1982年、歌手デビュー。「木枯しに抱かれて」「あなたに会えてよかった」「優しい雨」等の楽曲を発表。俳優として映画や舞台に多数出演し、執筆家としても活躍。2015年より株式会社明後日を立ち上げ、舞台・映像・音楽・出版など、ジャンルを問わず様々なエンターテイメント作品をプロデュース。2021年には上田ケンジと共に音楽ユニット、黒猫同盟を結成。

 


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【写真】小泉今日子が自身がプロデューサーとして10年前から温めた「ピエタ」に出演。その役柄は?
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