18世紀のヴェネチアの孤児院「ピエタ慈善院」を舞台に、そこに関わりながら年を重ねた10人の女性たちの様々な幸せを描いた小説『ピエタ』。7月に舞台化されるこの作品をプロデュースするのは、「読んでいる最中から『何か作品にしたい』と思っていた」と語る小泉今日子さん。物語は、結婚とも出産とも縁がないまま45歳になったエミーリアと、彼女同様に孤独や欠落の人生を生きてきた女性たちの、それでも失われることのない人生の祝福を描いているのですが……そこに至るまでにはもちろん、様々な心の揺れと紆余曲折が。

彼女の心を最もとらえた「よりよく生きよ、むすめたち」という詩の一節に描かれる思い。そこに共鳴した、今も昔も変わらない小泉さんの生き方について伺いました。

前編
「「子供を持たない人生を生きるんだろうな」と少し心が痛かった頃。小泉今日子を幸せにした少女時代の記憶」>>

 


小泉今日子
1982年、歌手デビュー。「木枯しに抱かれて」「あなたに会えてよかった」「優しい雨」等の楽曲を発表。俳優として映画や舞台に多数出演し、執筆家としても活躍。2015年より株式会社明後日を立ち上げ、舞台・映像・音楽・出版など、ジャンルを問わず様々なエンターテイメント作品をプロデュース。2021年には上田ケンジと共に音楽ユニット、黒猫同盟を結成。

 


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【写真】小泉今日子が自身がプロデューサーとして10年前から温めた「ピエタ」に出演。その役柄は?
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