が! 80年代に入り、MTVでティナが歌うテンプテーションズの『Ball of Confusion』とアル・グリーンの『Let’s Stay Together』が放送されたことから、見事にカムバック。1984年にはフルアルバムがリリースされ、MTVでアルバム内のリード・シングル『What’s Love Got to Do With It』のPVが流れると、黒いミニスカートにデニムジャケットを着て、髪は逆毛を立てたティナの力強いパフォーマンスの映像とともに、世界中で大ヒット。44歳でビルボードホット100の首位を獲得した、史上最年長の女性ソロアーティストに。

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写真:Gie Knaeps/アフロ

私が知る、ミック・ジャガーとともに『We Are the World』を歌っていたティナは、この新たな成功とともに再生した「新生」ティナの姿だったのですね! こんなにパワフルで自信に溢れるように見える女性が、家庭内では夫に長年虐げられていただなんて。本当に、人の私生活というものは、外側からはわからないものです。

 

その後もシンガーとしての快進撃は続き、90年代後半には、60歳の誕生日を前に2枚のアルバムをリリース。これが彼女にとって最後のスタジオ録音のアルバムとなりました。1994年にはドイツの音楽業界におけるエグゼクティブ、アーウィン・バックと一緒にスイスに移住し、2013年には27年越しの愛を実らせて夫婦に。デビュー50周年を迎えた2008年には、グラミー賞授賞式でビヨンセとのデュエットでカムバック。さらに10年ぶりのツアーを敢行したあと、2009年に現役を引退しました。

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2008年のグラミー授賞式でのパフォーマンス。写真:ロイター/アフロ

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2005年、夫のアーウィン・バックと。写真:Shutterstock/アフロ

40歳になるまで辛酸を舐めて続けてきたティナ。彼女の人生を振り返ると、何があろうと、いくつになっても、夢や希望はあきらめなくてもいいんだなと、改めて思わされます。天性の歌声が活かされたのもきっと、何度心が折れても「歌い続けたい」という願いを捨てない意志の強さがあったからこそ、ですもの。

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前回記事「77歳になったシェール「私が老いを感じるのはいつかしら」と強気発言」はこちら>>

 
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