<かけ算6>
アパレル販売員×整理収納アドバイザー=増えがちな「服」に詳しい整理収納アドバイザー・家事代行
洋服のライフサイクルを考えてみると、実は一番長いのが「収納されている」時間ではないでしょうか。新しい服を買うにも、古いものを処分しなければ増える一方で収拾がつかなくなってしまいます。また、気に入った服もいつかは古くなり、捨てるべきタイミングがやってくるもの。こうしたことから、片付け・整理のスキルもアパレル販売員と相性が良いと言えそうです。
片付けのスキルを具体的に学ぶには、『整理収納アドバイザー』や『ライフオーガナイザー』といった資格があります。『整理収納アドバイザー』は、片付けについて学べる資格の代表格。一方、『ライフオーガナイザー』は比較的新しい資格で、右脳優位・左脳優位といった自分の思考の個性を踏まえて片付け方を選ぶ点に特徴があります。(いずれも、最初の2級なら1日程度で取得可能)
アパレル販売員が片付けのスキルを身につければ、片付けの専門家としても「洋服に詳しい」という独自の強みができますし、店舗の運営にも役立てられます。いずれにしても、身につけて損はないでしょう。
家事代行として整理収納のサービスを提供することもできますし、自分なりのやり方をまとめてセミナー開催や動画などのコンテンツを提供することも可能です。この場合は多少のITスキルが必要になりますが、追加で学ぶメリットは十分ありそうです。
<かけ算7>
アパレル販売員×マーケティング=デジタルマーケター
アパレル販売の中で日頃から行っている接客は、お客様のニーズを捉え、その方にとって価値のある商品をコミュニケーションの中で伝え、購入につなげていく仕事です。それはつまり、一人ひとりのお客様に個別にマーケティング活動を行っているとも言えます。これをより広い範囲に拡大し、インターネットを通じてマーケティング活動を行うのが「デジタルマーケター」です。
デジタルマーケターになるには、まず改めてマーケティングの知識について学ぶことが必要でしょう。マーケティング検定では、3級でまず基本的なマーケティングの知識を確認できます。2級ではマーケティングの基礎から応用まで全般的に知識を学べるため、マーケターとして一定のレベルに達することができると思います。
また、デジタルマーケターとしてはWebサイトの閲覧数などのデータを見る力も必要。これについては、ウェブ解析士が役立ちます。独学で学ぶだけではなく、講座も開催されているので、ITやWeb、デジタルツールに苦手意識がある方でも取り組みやすいでしょう。
<今回のまとめ>
今回は、アパレル販売員の持つスキルの中でも、特に他業界でも通用するような“普遍的なスキル”に着目し、新しい「かけ算」を考えてみました。こういった業種や職種が変わっても持ち運びができるスキルのことを「ポータブルスキル」と言います。自分の持つポータブルスキルを棚卸しして、それをどこで活かすことができるかを考えてみると、新たな仕事と人生が見えてくるかもしれません。
今回はアパレル販売を取り上げましたが、他の商品の販売職でも、本記事内のかけ算が参考になると思います。
皆さんそれぞれ、個性を生かしたかけ算を見つけてみてください。
>>>次回の「経験とスキルのかけ算ドリル」は?
次回は一般事務を取り上げます。お楽しみに!
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写真/Shutterstock
構成・文/市岡光子
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