たくさんの人のチカラが可能性を広げてくれるということ


――実際のお稽古の雰囲気はいかがですか?

甲斐:4月下旬から始まったのですが、カンパニーが大きいのですごいですね。顔合わせだけで100人くらい(笑)。自分も経験がない規模で驚きました。このミュージカルではこれだけの人のチカラが必要なのだと、改めて思い知ったという感じです。さらに海外からも40人ほど来日しましたし……。本当に巨大なカンパニーなんです。こうやって海外のスタッフと一緒に作っていく現場はあまりないので、学びの場にしていかないといけないと。

「僕は歩く。何も考えないでノンストレスに」3年目・甲斐翔真がかつてない大役に挑みながらも大切にするもの_img3

 

セリフもそうですが、みんなでアレコレ相談しながら作っているという感じ。英語から日本語に変えるとき、本当にちょっとしたニュアンスが重要になるんです。日本語って不思議なもので、一文字違うだけで全然意味とか雰囲気が変わってくるので、そういう作業を丁寧に行いました。

 

先日、この『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』の音楽を手掛けたジャスティン(・レヴィーン)がプライベートで来日したんです。彼、すごく歌が上手くて! 作る側の人がこんなに上手なのかというくらい。不思議なのが、日本語でも歌ってくれるときもあるんですけれど、それも上手い(笑)。僕たちは日本人なので、「日本語ではこういう喋り方で、こういう歌い方でやらないと」という不文律というか、思い込みというか、そういうのがあると思うんですが、ジャスティンにはそれがなくて。ジャスティンが日本語で歌うと、それは聞いたことのない感じなのだけど、聞いていて「うわー!」って思うし、ちゃんと言葉も分かるし……。日本語ってまだまだ可能性があるんだなって思いました。