レッスン③ 自分を下げる「枕詞(まくらことば)」を入れて、断る
次にご紹介するのは、自分を少し下げる言葉をクッションにして、続けて本当に言いたいことを言う方法です。
枕詞に自分を下げてはいるのですが、本心としてはどちらが上とか下とかいう気持ちはさらさらなくて、単なる衝撃をやわらげるためのクッション的な表現として、自分を下げているそうです。
心になくとも、とりあえずクッションを入れることによってコミュニケーションを一見マイルドにして、相手が受け入れやすくするという効果を狙っているんだ、とおっしゃる方もいました。
たとえば、何かのお誘いを受けたときなどに、「アホやから、分からへん」という言い方があります。端的にいえば「お断りします」ということなのですが、「アホ」という、どことなくユーモラスな言葉を使うことによって、否定や断りをマイルドにすることができる。ごり押しの回避にも使えるマジックワードだと教えていただきました。
東京で使える枕詞は?
ただ、東京ではアホという単語自体をあまり使いませんし、関西とはニュアンスも違ってしまいますから、別の表現がいいかもしれませんね。
候補を考えてみますと、下町で使われるような「僕はおっちょこちょいで困ってるんですよ」というような言い回しは使えるかもしれません。
「わたし、バカだから」というのも人によって、シチュエーションによっては使えるかもしれませんが、やや使い方が難しくなるでしょう。
アホやから、のバリエーションとしては、こんな言い方もあるそうです。
「私不勉強やから、そんな難しいこと、よう分かりませんわ」
しょうもない上に、得にもならずおもしろくもない話をされたとき、この表現は使われることがあるそうです。
「うちはややこしいこと分かりませんし、主人に聞かんとお返事できませんねん」
など、(一見)卑下しておいて、目上の人やその場にいない人を立てつつ、その人の意思であるかのようにして断る表現は、さっそく使えそうですね。
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