理由① 海外での生活にお金がかかるので無駄な出費を抑えたい
とても現実的な理由ですが、新しい生活を始めるには、お金がかかるものです。ゼロから揃えるものが多いですし、今住んでいるカナダのバンクーバー界隈は近年家賃が高騰しており、郊外なのに東京の都心とあまり家賃が変わらないところもあるくらい。
そして、留学生として学校に通うと、現地の子よりも高い学費が必要です。インフレで物価も高いので、外食するのを躊躇してしまうほど。
さらには、私は現在日本の仕事をリモートでおこない生計を立てていますが、フリーランスのエディターのため、仕事がいつまであるか保証がないという点も出費にシビアになるひとつの要因です。
理由② おしゃれをしても着ていく場所がない
現在日中はリモートワークをしているため、リアルで仕事関係者と会う機会はまったくありません。オンラインミーティングで上半身が画面に映ることがある程度。家の外に出るとしても、主には子供の学校の送迎(片道徒歩25分)か、スーパーなどへの買い物(車がないので重い荷物を運ぶ必要あり)か、子供がやっているスポーツへの付き添い(砂埃の舞う屋外)。
おしゃれなお気に入りの服を着ていく場面がほぼないんです。お気に入りの靴を履いても、舗装されていない道を歩くことも多い……。だから、買っても使う場面が少なくてもったいないなぁと感じてしまうようになりました。
理由③“物”でなく、子供の“体験”のためにお金を使いたい
以前から子供のためにお金を使いたいという気持ちはありましたが、同時に自分の買い物にも使いたいと思っていたんです。でも、海外に引っ越したことで、以前より収入が減り、自由に使えるお金が減少。その限りのあるお金を私の買い物に使っても、なんの役にも立たないけれど、子供の“豊かな体験”のためにお金を使うと、それは子供の力となり、いつか身を助けるかもしれません。
スポーツをハイレベルで続けさせるのにもお金がかかりますが、でもそれが息子の心身の成長につながるなら、なにも惜しくありません。
子育てをしている親にとっては当たり前のようなことにようやく気づいた私……。地味で堅実でも、心豊かな毎日を過ごしていきたいものです。
構成・文/高橋香奈子
前回記事「中学受験がうまくいかなくても、留学後「帰国子女入試」で良い高校に入れるのか?【子供の留学の是非】」>>
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