当時小学6年生だった子供を留学させるため、約1年前に親子でカナダに移住した編集者が執筆。ふだんは子供の生活のことを中心に書いていますが、今回は母親である私自身がこの1年を振り返って、いちばん良かったこと、悪かったことを紹介していきます。

 

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海外移住していちばん良かったことは「人と自分を比べなくなったこと」

イラスト:Shutterstock

日本に住んでいるときは、今思えば、事あるごとに人と自分を比べていました。

たとえば仕事。私の場合は、フリーランスのエディターなので、仕事量はある意味、人気のバロメーター。「なんであの人はあんなに仕事をもらっているのに、私はこれだけなんだろう」。正直、こう感じたことはこれまで何年もありました。

会社員だった場合でも、「なぜあの人は昇格したのに、私はできないの?」「なぜあの人ばかり良い役目をして、私には回ってこないの?」などと感じたことがある人もいると思います。

自分の見た目のことでもそう。「なんであの人はあんなにスタイルがいいのに、私は太っているんだろう」。人と比べて、自分は見た目が劣っていて恥ずかしい、そう思っていました。

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だけど、カナダに来てみたら、だれがどれだけ仕事をしているかも見えないし、なにより自分自身で「仕事が減ってでも、子供との新たなスタートを踏み出したい」と決めて来たので、周りの人と自分を比べることがなくなったのです。

また、「ルッキズムの呪縛」の記事でも書きましたが、カナダはいろんな国にルーツをもつ人がいて、身長も体型も、髪の色も、肌の色も違う人がいるのが当たり前。そんな中にいると、自分だけが悪目立ちすることもないため、体型のこともだんだん気にならなくなってきました。

人と比べないって、こんなに幸せなことなのか……。深く実感できたことがいちばん良かったこと。

もちろん、私だけでなく、子供のこともそう。「なんであの子は勉強ができるのに、うちは……」「なんであの子はあんなに落ち着いているのに、うちは……」などとほかの子と比べることがなくなり、子供自身の特性や魅力に目を向けることができるようにもなりました。

 
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