話を聞かない人の対処法2:相手を理解した上で代替案を出す


“相手の要望とは違う提案”をする場合は、相手のことをよく理解していないと、説得することは難しいものです。
たとえば、相手が「私はAがいい」と言ったとしても、単に「Aを望んでいる」という表面的な部分だけを受け止めるのではなく、「どうしてAがいいと思っているのか」、そこにある背景、価値観、思いまで理解することが大切なのです。
それによっては、相手は「Aでなくてはいけない」と思い込んでいるだけで、実際は、「B」でも「C」でも可能かもしれません。

さらに、相手のことを理解していると、「相手がメリットだと感じているもの」が分かってくるので、「BやCにしたときの相手のメリット」を提案することもできます。
結果、相手は「それなら、Bでもいっか!」なんて気持ちが変わってくることもあるでしょう。
人を説得するためには、「相手のことをよく理解し、相手のメリットを考え、代替案を出して、折り合いをつけていくこと」が大事なのです。

 


話を聞かない人の対処法3:自分の状況を相手に理解してもらう


相手は、こっちの状況を知らないから、一方的に要望をぶつけていることもあります。よほどの分からず屋でないかぎり、こっちのことも話せば、折り合いをつけてくれる可能性もあります。
だから、「相手は分かってくれているはずだ」なんて思わず、たとえ面倒であっても、細やかに、こっちの状況、事情を説明することは重要。特に交渉事では、「自分がこれだけは譲れないと思っているもの」だけは明確にしておいたほうがいいでしょう。

たとえ普段は人の話を聞かないような相手であっても、「すでに相手の要望をきちんと聞き、信頼を得た関係」になっていれば、こっちの話を聞いてくれる可能性は高まります。

折り合いをつけない相手の場合は?


ただし、なかには、全く折り合いをつけようとせず、「自分の思い通りに人をコントロールしようとする人」も存在します。
そういう人は、どんなにこっちの状況を説明したり、色々な代替案を出したりしたとしても、拒否し、ただただ自分の思い通りに物事を進めようとするところがあります。

その場合は、「間に第三者を入れて、話し合う」という方法もあります。人の話を聞かないときは、感情的になっていることも多いので、公平に状況を見てくれる人が間に入ることで、相手が話を聞くこともあり得ます。

ただし、人を巻き込むほどの場面ばかりではないでしょう。ちょっとしたプライベートのもめ事のときは特に。
その場合は、今後もその人と付き合っていく必要があるのかを考えていったほうがいいです。
そうでなければ、いつも「自分のほうが我慢しなくてはいけなくなる」からです。

誰もがまずは自分のことを大切にすることが大事。相手の犠牲になって我慢していては、辛くなるだけです。
自分を大切にするためにも、そういう相手とは距離を空けたほうがいいことは多いでしょう。

結局、人の話を聞かないでいると、周りの人がどんどん離れていくようになってきます。そういう人は、一人になって孤独感を味わうことで、ようやく学ぶことも少なくありません。本来は、そうならないうちに、話を聞ける人になったほうがいいのですが……。

ちなみに、私自身は、著名人インタビューの仕事を10年以上やっていて、ある意味、「人の話を聞くのが仕事」でもあります。
そんな私が、「相手の話を聞くときに心がけていること」があります。それは、「話を聞いてくれない人」への対応のときにも役立つこともあるかもしれません。
次のページで紹介します。