みなさん、こんにちは! この連載を担当しているライターの畑中です。
今回はいつものbefore/after企画ではありません。1年連載をしてきて「イガリさん流大人のメイク論」を体系化するための道のりをお伝えする記事になります。

なので、私の個人的な“メイクに対する想い”みたいなものも交えつつ書いていきます。あらかじめご理解ください。

 

そもそも、この企画が始まったきっかけをシェアさせてください。
美容エディターという肩書きではありますが、私自身がメイクに向き合うようになったのは40代になる手前の頃でした。というのも、私の顔はいわゆる派手顔。メイクをするとケバくなるのが悩みでもあったため、長らくファンデ塗って眉&赤リップというのがメイクの定番でした。しかも信条は「年をとるほどメイクは薄く」と、メイク探求とは程遠いところにいました。

 

が、年齢を重ねるにつれてそれが通用しなくなりました。「そのままでイケてる私」と思ってた顔が、ある日「そのままでは私、全然イケてない」と感じるようになりました……。

そんな頃、仕事でよくご一緒していたのがイガリさんでした。
取材のなかで大人の顔立ちについて聞いてみると、イガリさん独自の理論が垣間見えました。だけど当時していた仕事はプロモデルさんでの企画。「もっとイガリさんの大人メイクの考え方を知りたい!」――いつも思っていました。そんな時、ミモレ編集部の方とお話しする機会があり、読者さんの変身企画をやろう!と、この連載が始まりました。

40代手前で自分自身のメイクと向き合うようになった私ですが、美容エディターとしての取材経験などを経て、大人のメイクで大切なことは3つだと思っています。
① 隠しすぎない(=抜け感、洒落っ気になる)
② 品がある
③ トレンドを感じる

 

仕事柄、多くのヘアメイクさんとご一緒してきましたが、イガリさんは①と③を体現するアーティストさんだと思っていました。特に③のトレンド感という、とても感覚的なものをキャッチしてメイクに落とし込むのがとても上手。“イガリメイク”と呼ばれて支持される理由もココかな、と思っていました。

が、この連載をやってきて今思うのは、イガリさんのメイクって、本人の顔立ちを変えすぎないので②の品の良さもあるんです。そして、この①②③がモデルでもなんでもない私たち一般人の顔に反映されると、「その人らしさはそのままなのに、なんかお洒落!」という着地になる! 毎月イガリさんのメイクを取材するなかで、「この“なんか”を解明したい!」と思うようになりました。

イガリさんが顔をどう捉えてるのか教えてほしいーーそうお願いしたところ、アシスタントさんの顔写真に点と線を……。緻密に顔というものを捉えているようです。

イガリさんご自身の頭の中では、とても緻密でロジカルにメイクが構成されていると感じます。だけど、それを皆にわかるように言葉にしたりするのってすごく難しいーー。というわけで、今回、イガリさんの頭の中を解明する時間をいただき、その様子を今日の記事ではお伝えします。

まだまだ解明の途中ではありますが、「なんかお洒落!」ーーそんなメイクを自分のものにしていけるためのヒントを、今回は皆さんにお伝えできればと思っています。