難関中学への受験指導を40年間行っている、カリスマ家庭教師の西村則康さん。プロ家庭教師集団「名門指導会」の代表も務めています。そんな西村さんと、同会の副会長も務める辻義夫さんの共著『中学受験の成功は幼児期・低学年がカギ!「自走できる子」の育て方』では、中学受験の成功は、「子どもが勉強は楽しい!と思えるかどうか」にかかってくる、と伝えています。子どもの「学びに向かう力」を育むために、幼児期や低学年の親は何をすればいいのか? を教えてくれる本書から、今回は「夏休みの過ごし方」のヒントについて、特別に一部抜粋してご紹介。特に、子どもが夏休みの「自由研究」に毎年苦戦しているという方、必見です!

 


美術館や博物館は親のリアクションが大事


夏休みなどの長期休みは、子どもにいろんな体験をさせるチャンスです。すると、つい「どこか遠くへ連れて行って子どもを喜ばせよう!」と張り切ってしまいがちですが、場所はそれほどこだわる必要はありません。大事なのは「どこで何をしたか」よりも、「どんな経験ができたか」だからです。例えば親子で一緒に何かを作るのもいいと思います。

でも、もしも時間的に余裕があれば、美術館や博物館などに行くのはおすすめです。
ただ連れて行くだけでは意味がありません。美術館や博物館に行くときは、親子で事前に下調べをしておきましょう。今はネット上に情報があふれているので、先に少し情報収集しておき「ここは絶対に見たいよね」と展示物に対する興味を前もって高めておくといいでしょう。旅行もそうですが、誰かに連れられて回るのと、自分で下調べをしてから行くのとでは、行ったときの感動が違ってきます。

実際に訪れたら、気になる展示物の説明を子どもと一緒に読んでみるといいですね。そのときに「なるほど、そうなんだぁ〜」「へぇ〜、これはおもしろい発想だね」など、親御さんが目を輝かせ、おもしろがって見ると、子どもも真似しておもしろがって見るようになります。

 

スマホをいじっていては子どもの興味も育たない

 

逆に親御さんが無関心だと、子どももつまらなそうに見ます。よくあるのが、こうしたところに連れて行くことだけで満足してしまい、自分は椅子に座ってスマホをいじっているケースです。夏休みの美術館や博物館に行くと、そういう親御さんが本当に多いのに驚きます。それではお子さんの興味は育っていきません。

美術館や博物館に行くことは、貴重なものやめずらしいものに出合えるというだけではなく、「世の中には自分の知らないことがいっぱいあるんだ!」「新しい知識を得ることは楽しいことなんだ!」ということを子どもに教えてあげられる絶好の機会です。まずは親御さん自身が楽しむことが大切です。

ただ、わが子のために良かれと思って連れてきたものの、子どもの反応がイマイチということもあり得ます。親としてはちょっとがっかりしますが、それはそれで仕方がないこと。なぜなら、興味の対象は人によって違うからです。しかし、連れて行ってみなければ、それも分かりません。幼児期や小学校低学年は、興味の種まきの時期と思って、さまざまな体験をさせてあげましょう。