初心を忘れなければ、大丈夫
——工藤さんはインタビューでも飾らずに人間らしい一面を明かしてくれますし、インスタグラムでも自然体の姿を披露しています。SNSはどんな意気込みで続けていますか?
工藤:インスタグラムは活動30周年を機に、ファンの方々に感謝の気持ちを伝えたくて始めました。若い頃はファンクラブを介して一方的にメッセージを送ることしかできなかったので、ファンの方が楽しくコメントをできる場所が欲しくて始めました。「ファンの方のために作った場所」これが初心ですから、いろいろありますが、コメント欄は閉じずにいます。
——なかには今、分岐点で迷っている方もいると思いますが。
工藤:今、人生の分岐点に立っている人も、勇気を出して踏み出した結果、辛い思いをしたり、迷ったり、思い通りにいかなかったりすることも多いと思います。でも、そこを乗り越えられたら強さが貯まっていくと思いませんか?
——強さが貯まっていく……。重みがある言葉ですね。
工藤:どんな挑戦にもトラブルはつきものですし、それを避けて生きていても、いつかまた同じような壁にぶつかって立ち止まってしまいます。でも、苦しいことを乗り越えられた経験が貯まっていくと、だんだん自信が芽生えてきて。「前にも同じようなことがあったから大丈夫」と、どんな状況にも対応できるようになっていけると思います。
——ソロデビュー30周年に2017年に発表された楽曲『鋼の森』も、ご自身とファンを励ますようなメッセージソングだったと思います。今、新曲の『勇者の旗』を歌う工藤さんは当時よりも“強い”ですか?
工藤:そうだと思います。いろんなことにバリアを張って跳ね返すような強さではなく、柔軟に受け入れていく強さが身についたかもしれないですね。振り返ると、20代の頃から多様な意見に触れることを大切にしていたつもりですが、今よりも我が強くて、自分とは違う意見を素直に聞いていなかったと思います。そう考えると、昔はストレスに感じていたことも今は笑って吸収できるようになりました。でも、まだまだ学ぶことだらけだ! と、思います(笑)。
工藤静香インタビューVol.1
工藤静香「何も聞こえないくらい、思い悩む日もありました」『勇者の旗』で気付いた自分の求めてきたこと
工藤静香インタビューVol.2
工藤静香「大事にしてきたのは自分で決めて責任を負うこと」『勇者の旗』を裏付ける自己プロデュースの軌跡
工藤静香インタビューVol.3
工藤静香「嵐の中で無理に飛び立たなくてもいい」Z世代も注目する“個性”を育てた、自分なりのルール
お問い合わせ先/
クリスチャン ディオール tel. 0120-02-1947
撮影/田上浩一
スタイリスト/岸本怜子
ヘア&メイク/菊地美香子
取材・文/浅原聡
構成/坂口彩
第1回「工藤静香「何も聞こえないくらい、思い悩む日もありました」『勇者の旗』で気付いた自分の求めてきたこと」>>
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