年を重ねるにつれて、自分に似合う服やスタイルが若い頃よりは分かってきた反面、長年の経験から「〜しなければいけない」というおしゃれに対する思い込みや固定概念に、無意識のうちに縛られてしまっている人も実は多いかもしれません。
知らないうちに自分で自分を縛っているおしゃれの呪縛から自由になって、もっと軽やかに日々のおしゃれを楽しめたなら……!

そんな頭でっかちになりがちな大人のおしゃれに対して、いつもちょっとした発想の転換方法を教えてくれるのが、スタイリスト佐藤佳菜子さんです。

第3回目はバッグやハットなど、夏の小物選びの秘訣について佐藤さんに伺いました。

もし自分に似合わないのなら、
夏だからといってかごバッグやストローハットを持たなくたっていい


夏はかごバッグやストローハットが小物の定番! という気持ちって、なんとなくありますよね。私もストロー素材のアイテム、可愛くて好きだなと思って使っていた時期もあるのですが、あるときからなんだか自分のテイストと釣り合わないな、と感じるようになって。

もちろんストロー素材が好きな人、天然素材が似合うカジュアルな格好を普段からしている人はいくつになっても可愛くて素敵だなと思うんです。でも私は普段そういう服装をするタイプではないので、やっぱり持つとどうしても、全体の印象がほっこりしてしまう……。あるときから、夏だからかごやストローハットを持たなくては! といった固定概念を手放してみたらすごく心が軽くなったので、それ以来、無理して持たなくなりました。


 夏の「脱ほっこり」ルール① 
かごバッグ→モダン見えする素材にチェンジ

 
バッグ/ジャミレイ ブラウス/ルーニィ パンツ/ロエフ サングラス/アヤメ ピアス/マリアブラック ブレスレット/ダミアーニ 靴/マルジェラ


KANAKO’s Comment 

買い物バスケットのようなかごバッグやジェーン・バーキンが若い頃持っていたようなかごバッグ。見ているぶんには素敵だなと思うのですが、今の私が持つとどうしてもバッグだけが浮いてしまうんです。なので大きなかごはインテリアとして使うことにして、かごを手で持つバッグとして使うことはやめました。

とはいえ、かごのように編まれているデザインのバッグは、涼しげで夏に持ちたくなりますよね。同じかご見えするバッグでも、布やプラスチック、ビニールなど、ストローじゃない素材でかご見えするものを選べば、どこかモダンな印象に見えると思います。

今回ご紹介した、ぽこぽこした布団みたいな(笑)ジャミレイのバッグは布で編まれているのですが、こんな風にかご見えバッグのほっこりじゃないチョイスもあるので、よかったらお試しください。

ちなみに、ときどきインスタで、「夏にレザーバッグは持ってはいけないですか? 代わりにどんなバッグを持てばいいですか?」とご質問いただくことがあるのですが、夏だからレザーバッグを持てないと決める必要もないし、もしも暗い色のレザーが暑い夏に重たく感じるのであれば、明るい色を選べばいいと思うんです。大人になると自分の中にいろいろと決め事ができてしまうのかもしれませんが、そういう固定概念を手放してみると、日々のおしゃれの選択肢が広がったり、手持ちのアイテムの可能性を再発見できるんじゃないかなと思います。

 

 夏の「脱ほっこり」ルール② 
ストローハット→キャップにチェンジ

 
帽子/フォーティセブン ワンピース/ヌキテパ ピアス/マリアブラック ブレスレット/ダミアーニ バッグ/アーツ&サイエンス 靴/ヒューン


KANAKO’s Comment 

かごバッグと同様、ストローハットもいろいろ試してみたものの、私の普段の服装に合わせるとどうしても突飛な感じがしてしまい、私があの帽子を日常で被るのは結構難しい……。そうは言っても夏に帽子を被りたい瞬間は多々あるので、そういうときは私の場合、キャップを被ってほっこりを回避するようにしています。特に今回のような甘めのワンピースには、スポーティなキャップが程よく甘さを中和してくれるので重宝しています。

夏にストローハットを被らなきゃいけないという呪縛から逃れても、今のところ日々のコーディネートに困ることはないので、もし私のようにストローハットがなんだか似合わないと感じている方は、キャップやバケットハットなど、別の選択肢を検討してみてはいかがでしょうか?

※掲載のアイテムで価格が入っていないものは本人私物です。
 

【写真】スタイリスト佐藤佳菜子さん2023夏の私服コーデを見る
▼右にスワイプしてください▼


撮影/水野美隆
スタイリング・出演/佐藤佳菜子
ヘア&メイク/桑野泰成(ilumini.)
構成・文/堂坂由香

 

第1回「「リゾート用の服」って本当に必要?大人の水際コーデは“いつもの服”から探すべき理由」>>

第2回「海やプールの足元は“ビーサン“だけじゃない!大人にこそ「メリッサのサンダル」がおすすめの理由」>>