「アラフィフの壁」を無理なく、軽やかに越え続ける漫画家・コラムニストの辛酸なめ子さんが、自らのアンテナに引っかかった事象を紐解く連載です。今月は本連載ファッション企画でおなじみスタイリスト室井由美子さんをゲストにお迎えし、なめ子さんの「デニム苦手意識」を払拭します。前回、前々回と室井さんオススメの最旬デニム6本を穿き比べ、トップスとのコーディネートのコツも伝授していただいたなめ子さん。最後に、デニムが似合う憧れのセレブの着こなしを再現します!
映画『なまいきシャルロット』のボーダートップス×デニムコーデが長年の憧れ
憧れの原点は、シャルロット・ゲンズブールのデニム姿。昨年リバイバル上映もされた1985年の映画『なまいきシャルロット』(クロード・ミレール監督)での彼女のコーデは、今も脳裏に焼き付いています。思春期の渦の中にいる、13歳の多感な少女の心のゆらぎを描いた名作。フランスっぽいボーダーのトップスにデニム、白いスニーカー姿というシンプルなファッションですが、シャルロットのアンニュイさと相まって、全ての瞬間が絵になっていました。ポケットに手を入れるだけでこんなにさまになるとは。
映画のパンフなどに使われたあのポージングに挑戦したい……と無謀を承知で提案し、スタイリストの室井由美子さんのお力添えで実現。スタイルやルックスは到底及ばず、忠実な再現にはなっていませんが、大人のゆらぎ世代も包み込む思春期コーデで心が浄化されそうです。
室井由美子さん
mi-molletでもおなじみの人気スタイリスト。1977年生まれ、身長155㎝。シンプルで、ほんのりモードが漂うリュクスなアイテム選びとスタイリングに定評がある。
インスタグラム @yumikomuroi
YouTube:「ムロリンchannel」
シャルロットコーデに選ばれたデニムは、6本穿き比べ企画で一番最初に穿いた「RED CARD TOKYO」の「Jazz」。ルーズテーパードの絶妙なシルエットが大人気のデニムです。
『なまいきシャルロット』ではストレートのデニムを穿いていますが、当時のシャルロットのこなれ感に少しでも追いつくには、やはり最新のデザインが良さそうです。「RED CARD TOKYO」のデニムは、パタンナーがミリ単位で調整した、日本人の体型に寄り添ったシルエット。丈の長さも日本人に合わせていて、フランス人が穿くと短くなってしまいそうですが、156センチくらいの私が着用してもお直しの必要がありません。
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